イスラエル:ガザに地上侵攻 トンネル10本破壊
毎日新聞 2014年07月18日 10時56分(最終更新 07月18日 11時01分)
【ガザ市(パレスチナ自治区ガザ地区)大治朋子】イスラエル軍は17日夜(日本時間18日未明)、イスラム原理主義組織ハマスが拠点とするパレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻を開始した。イスラエルとの境界沿いのほぼ全域から歩兵部隊や戦車を進攻させた。双方の死傷者が増えるのは確実で、8日から本格化した戦闘は地上戦突入という重大局面を迎えた。
イスラエル軍によるガザ地区への地上侵攻は2009年1月以来。記者(大治)の滞在するガザ市北部では、イスラエル軍による空爆や西側沿岸に配備された艦船などからの砲撃に伴う爆撃音が17日午後10時前から聞こえ始め、ホテルがその衝撃で揺れた。イスラエルが地上侵攻開始を発表した後、18日未明まで爆発音や攻撃ヘリなどによる射撃音が響き、艦船からの砲撃による火炎も見えた。AP通信は、北部ベイトハヌーンでイスラエル軍歩兵部隊とハマスの戦闘員が交戦したと伝えた。
イスラエルのネタニヤフ首相は17日深夜、「ガザからイスラエルに向けて作られたテロ目的のトンネルを攻撃するため地上侵攻を軍に命じた」と発表した。イスラエル軍は17日、ガザから戦闘員などを送り込むため掘削されたとみられる約10本のトンネルを発見し破壊した。今回の地上戦はこうしたトンネルや、長距離ロケット砲の破壊などが狙いと見られる。イスラエルメディアは「トンネルの発見や破壊には1、2週間かかる」と伝えた。
今回の戦闘はヨルダン川西岸パレスチナ自治区で6月に起きたユダヤ人少年3人の殺害事件が直接のきっかけ。イスラエルがハマスの犯行と断定し、幹部ら600人以上を逮捕。事件への関与を否定するハマスがロケット弾攻撃を拡大、イスラエルはこれに対し空爆を続けていた。