経済【ビジネスの裏側】拳銃、カードスキマー、模倣品、「3Dプリンター」犯罪マーケット野放しの危険…イメージ悪化、利用企業に思わぬ“風評被害”も+(1/3ページ)(2014.7.18 07:00

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経済

【ビジネスの裏側】
拳銃、カードスキマー、模倣品、「3Dプリンター」犯罪マーケット野放しの危険…イメージ悪化、利用企業に思わぬ“風評被害”も

2014.7.18 07:00 (1/3ページ)ビジネスの裏側
神奈川県警が押収した3Dプリンターで造った殺傷能力のある樹脂製の拳銃

神奈川県警が押収した3Dプリンターで造った殺傷能力のある樹脂製の拳銃

 データを基に立体の造形物をつくる「3Dプリンター」を悪用し、銃器など危険物や犯罪や商標権の侵害につながる模倣品づくりが世界で相次いでいる。今年に入り、日本でも3Dプリンターで製造された拳銃が神奈川県警に摘発されるなど対岸の火事ではすまなくなっている。模倣品の“闇市場”が確認されており、犯罪の温床になる危うさを浮き彫りに。モノづくりの可能性を広げる革新技術だけに、健全なモノづくりを守るためにも防犯対策が急務となっている。

(板東和正)

3D悪用「何でも作れる」ビジネス

 「3Dプリンターを悪用する犯罪マーケットが存在している」

 3月25日、情報セキュリティー大手のトレンドマイクロ(東京)が発見したインターネット上の英語表記の広告が、世界中に衝撃を与えた。

 広告では、店舗などでクレジットカード決済や売り上げ記録のデータ管理に使われている機器「POS端末」の模倣品の販売を堂々と宣言。大胆にも業者は、中国で運営する工場で3Dプリンターを駆使して、POS端末最大手の米ベリフォーンの特定の製品を完全に再現できると豪語していた。

 それだけでなく、ATM(現金自動預払機)のカード挿入口に仕掛けてクレジットカードの暗証番号などの情報を盗み出す機器「スキマー」といった犯罪グッズまでも3Dプリンターでつくったとうたい、約2千ドル(約20万円)前後で販売していた。広告では「3Dプリンターさえあれば何でもつくることができる」と不敵なメッセージが書かれていた。

 広告はネット上からすぐに消えたが、トレンド社は「業者から購入したATMスキマーで盗まれた顧客のカード情報などがすでに闇市場で売買されている可能性が高い」と述べ、知らない間にクレジットカードで勝手に買い物されるなどの被害が出る危険性を指摘する。

データさえ入力すれば素人でも…「拳銃の設計図」までネット上に流通…

このニュースの写真

トレンド社が発見した広告に掲載された、3Dプリンター製のATMスキマーの写真(トレンド社提供)
トレンド社が発見した広告に掲載された、業者が中国の工場で利用しているとする3Dプリンターの画像(トレンド社提供)

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