特定秘密保護法:内部通報制度を新設 運用基準素案

毎日新聞 2014年07月17日 12時20分(最終更新 07月17日 14時17分)

第2回情報保全諮問会議であいさつする座長の渡辺恒雄・読売新聞主筆(右端)。左端は安倍晋三首相=首相官邸で2014年7月17日午前10時12分、武市公孝撮影
第2回情報保全諮問会議であいさつする座長の渡辺恒雄・読売新聞主筆(右端)。左端は安倍晋三首相=首相官邸で2014年7月17日午前10時12分、武市公孝撮影

 同法は特定秘密の有効期間を5年以内とし、期間満了時に秘密指定の要件を満たしていれば原則30年までの更新が可能とした上で、要件を満たさなくなった場合は速やかに指定解除すると定めている。これに関連し、国会審議で「30年未満で歴史的な文書が破棄される可能性が否定できない」と指摘されたことから、素案では「指定期間が通算25年を超える文書は歴史資料として重要なものでないかどうか特に慎重に判断する」とのルールを設けた。

 さらに、意図的な情報隠しなどに対する告発の受け皿として、秘密指定の権限を持つ19機関に内部通報窓口を設置。職員らが秘密指定や文書の管理について、法に従って行われていないと考えた場合、通報できるとした。窓口は独立公文書管理監にも設けるが、まず行政機関への通報が原則とし、閣僚など行政機関の長が告発が事実と認めれば、指定の解除などの是正措置を取ることとしている。

 特定秘密を取り扱う人物を選定するために身辺を調査する適性評価を巡っては、各府省庁に苦情受理窓口を設置。不服申し出を理由とした人事などでの不利益な評価を禁じた。【佐藤慶】

 ◇特定秘密保護法の運用基準と政令素案の骨子

・特定秘密は必要最小限の情報を必要最低限の期間に限って指定

・基本的人権、報道・取材の自由を尊重

・特定秘密に指定可能な項目を細分化

・特定秘密を指定できる行政機関を19機関に限定

・内部通報窓口を19機関と「独立公文書管理監」(仮称)に設置

・各府省庁に適性評価の苦情受理窓口を設置

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