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» 2014年07月18日 08時44分 UPDATE

メスがオスに性転換する「コブダイ」の不思議 群れの1匹のみ“ハーレム王”に 「ブサかわいい」と人気 (1/3)

コブダイはすべてメスとして生まれ、群れの中で体が一番大きくなった1匹だけがオスに性転換し、面構えもどんどん「ブサイク」になってメスの群れを率いるという不思議な生態。“ブサかわいい”姿が、評判を呼んでいる。

[産経新聞]
産経新聞

 大きく張り出した頭のコブに、迫力満点の鋭い歯が並ぶ強力なアゴ…。大型のベラの仲間の「コブダイ」が、京都水族館(京都市下京区)で人気を集めている。すべてメスとして生まれ、群れの中で体が一番大きくなった1匹だけがオスに性転換し、面構えもどんどん「ブサイク」になってメスの群れを率いるという不思議な生態。必然的に“ハーレムの王”となったオスは、体長1メートルほどまで成長するといい、海中で出くわせばダイバーも驚いてしまうほどの魚だが、水族館では、飼育員につぶらな瞳でエサをねだる“ブサかわいい”姿が、評判を呼んでいる。

選ばれし「オス」、食べっぷりもなかなか

画像 「ブサかわいい!?」と評判のコブダイのオス(上)。すべてメス(下)として生まれるが、群れの中で体が一番大きくなった1匹だけがオスに性転換するという。そして、オスは面構えもどんどんいかつくなっていき、体長も1メートルまで成長する(京都水族館提供)

 コブダイは佐渡島(新潟県)以南の日本海や日本南部の太平洋などに生息し、寿命は20年前後といわれている。

 生息する環境にもよるが、オスは1メートルほどまで大きくなるといわれる大型魚だ。強力な顎と硬く大きな歯でサザエなどの貝やウニなどをかみ砕いたのちに、のどの奥にある臼状の歯「咽頭歯」でさらに強く押しつぶすように砕いて中身を食べ、粉々になった殻を水中ではき出すという、食べっぷりも豪快な魚でもある。

 コブダイは、性別がメスからオスへと変わる「雌性先熟(しせいせんじゅく)」の魚で、すべてメスとして生まれて成長し、群れの中で体が一番大きくなった1匹だけが、オスに性転換する。そして、オスのみが、頭と下顎が大きく張り出し、だんだんと「ブサイク」に成長していく。

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