コラム:イエレン議長のバブル警告、市場が馬耳東風になる理由
James Saft
[16日 ロイター] - 市場はイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長を恐れていない。本当は恐れた方が良いのかもしれないが。
議長と他のFRB幹部らは今週の議会証言と金融政策報告書で、ソーシャルメディアやバイオテクノロジー株、債券市場の一角について、バリュエーションの割高感を異例の率直さで指摘した。しかし市場の反応と言えば、あくびをかみ殺しただけだった。
このことは多くを物語ると同時に、憂慮すべきでもある。
なぜならイエレン議長自身、バブル阻止の主な手段はマクロプルーデンス政策だと強調しているからだ。そう、口先介入はマクロプルーデンス政策の重要な構成要素であり、それが効き目を発揮していないことが早くも露わになっている。
これはリスク性資産にとって短期的に強気材料である。市場が過去2日間に上昇したのは間違っていない。しかし長期的に見ればテールリスクの顕在化という悲惨な結末を迎える確率が、以前に比べて少し高まった。
イエレン議長の苦言は、グリーンスパン元FRB議長が1996年の講演で「根拠なき熱狂」を指摘して以降で恐らく最も目を引く警告であり、2つの部分から成っている。
議長は議会証言で、全体的なバブルの存在は打ち消しながらも、債券の一種に懸念を表明。「低格付け社債など一部のセクターにおいてバリュエーションが割高になっている様子であり、発行も頻繁に行われている。従ってわれわれは、レバレッジド・ローン市場の動向を丹念に点検し、われわれの監督指導の有効性を高めるよう取り組んでいる」と述べた。 続く...
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