天気予報を見る
 
香川ニュースTOP > 香川ニュース > 社会一覧 > 記事詳細
 
 

箱開封、新たな衝撃/高松・白票水増し

2014/07/16 09:43

謝罪する(左から)綾野和男市選管委員長、東原博志同事務局長ら=高松市役所
謝罪する(左から)綾野和男市選管委員長、東原博志同事務局長ら=高松市役所

 昨夏の参院選の開票事務を巡る白票水増し事件で15日、新たな衝撃が走った。白票の水増しに加え、票が保管されている箱を開封し、中にあった票に手を加えたとして、選管職員ら6人が起訴される異常事態。「まさか箱を開けるとは」「組織ぐるみと言われても仕方がない」。記者会見に臨んだ市選管幹部は頭を抱え込んだ。
【→参照記事】

 「非常に悔しく、じくじたる思いだ」。会見した東原博志選管事務局長は深々と頭を下げた。起訴された元事務局長や在宅起訴された3職員は、選挙事務の中枢に関わってきたベテランばかり。「選挙事務を支えてくれていたのに。なぜそんなことをしたのか」と涙で声を震わせた。

 事件の背景について「少しでも早く開票事務を終えようとしたことが一因だと思う」との見方を示す一方、「箱の開封などは、組織ぐるみと思われてもやむを得ない」とうなだれた。

 同事務局長によると、在宅起訴された3人は、元事務局長らが逮捕された6月下旬以降も勤務しており、後に行われた農業委員会の選挙にも関わっていた。在宅起訴された市選管選挙課の岡弘哲課長補佐からは15日正午すぎ、「投票用紙が入った箱を開けた。ご迷惑をかけて申し訳ない」と打ち明けられたという。

 昨夏の参院選で、自民党の衛藤晟一氏の高松市の得票が「ゼロ票」だった問題は、元事務局長らの不正工作があったことが明らかになった。

 元事務局長らがゼロ票問題後に行った開票事務の検証作業の中心でもあったことから、東原事務局長は「検証内容は見直す必要がある」とし、「今後は設置予定の第三者による調査委員会に取りまとめていただきたい」と述べた。また、投票用紙が入った箱を保管する書庫には、他の部局の資料も一緒に保管されており、申請すればどの職員でも入ることができるため、保管方法の見直しにも言及した。

 一方、大西市長は「市政への信頼をさらに失墜させる事態になったことを、心からおわび申し上げる」と謝罪し、抜本的に職員の意識改革を図る対策に乗り出す考えを示した。

政治的な意図がないか疑問残る
 ジャーナリストの大谷昭宏さんの話 選挙の公正さを担保すべき選挙管理委員会事務局による許し難い犯罪で、選挙制度そのものが崩壊する。一方、手口は単純で、衛藤晟一候補に投票した支援者から苦情が来るのは自明だ。ただ、なぜ衛藤氏の票だったのか、政治的な意図は本当になかったのか。実態解明には説明が足りず、疑問が残る。

「言語道断」と怒り 衛藤氏支持者
 「言語道断。あきれるのを通り越して怒りがわく」。高松市選管の白票水増し事件で、ゼロとされていた衛藤晟一氏への投票300票余りが見つかっていたにもかかわらず、隠蔽工作をしていたことが判明した。衛藤氏の支持者で、市選管に検証を求めてきた同市の自営業亀山巧さん(63)は「『再点検できない』と言いながら自分たちは票が入った箱を開けていたのか…」と絶句。「選管ぐるみで隠そうとした罪は重い」と怒りをあらわにした。

 亀山さんと他の支持者は参院選後の昨年8月末、市選管に投票用紙の再点検を求める抗議文を提出。市選管はその後、「公選法で定められた提訴期間を過ぎており、再点検はできない」と回答していた。

 亀山さんは「国政のために投じた大切な1票。積極的な投票を呼び掛ける選管職員が自ら不正な行為をするなど考えられない」と憤り、「以前から同じことをしていたのではないか。市全体の綱紀が乱れている」と厳しく批判した。

真実の解明を
 衛藤晟一参院議員の話 日本でこんなことが起こり得るのかとびっくりした。選挙は民主主義の基本だ。票の行方が分からなくなったのは、国民一人一人の意思が無視されたということで残念だ。(容疑者の起訴で)事実は少し解明されたが、引き続き真実が明らかになるよう求めたい。

関連記事

powered by weblio


同じジャンルの記事

 
ロード中 関連記事を取得中...
 

注目の情報

顧客管理が簡単にできるASPシステム「クライゼル」を発売中

顧客管理が簡単にできるASPシステム「クライゼル」を発売中
トライコーン株式会社では、本格的な顧客管理を実施したい法人向けASPサービスクライゼル」を発売しています。CRMもお任せください

詳しく見てみる→

▲このページのトップに戻る
購読のお申込みは0120-084-459

SHIKOKU NEWS 内に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。 すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

Copyright (C) 1997- THE SHIKOKU SHIMBUN. All Rights Reserved.