小林誠一
2014年7月17日23時13分
国土交通省は17日、来年度までに、南海トラフ地震の緊急地震速報が数秒程度、津波の高さを表す津波観測情報は10分程度早く出せるようになる、との見通しを示した。南海トラフ地震のデータを観測する海底の地震計と津波計は、気象庁がすでに4カ所に設置。加えて、独立行政法人「海洋研究開発機構」(神奈川県横須賀市)が和歌山県沖を中心に整備中の、49カ所のデータも取り込む。
国交省や気象庁などによると、海底の地震計は緊急地震速報を出すための地震波(P波)、海底の津波計は水圧の変化を観測し、データを気象庁に送る。気象庁の4カ所の設置場所は陸地の50~60キロ沖が多く、最も遠くて約80キロにとどまる。一方、機構の設置場所は陸地から100キロ以上にも展開。担当者は「機構の方が陸から遠い分、震源に近くなる可能性が高い。より早く地震波と水圧を観測できれば、速報なども早く出せる」と説明する。
南海トラフ地震は、過去の記録から、和歌山県沖を含む震源域で発生する可能性が高いとされる。気象庁の海底地震計と津波計が静岡県沖に集中しているのに対し、機構が整備を進める49カ所は、三重県の熊野灘沖から高知県の室戸岬沖までと幅広く、精度や検知の可能性も高まるという。
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