私たち家業継ぎます 関学の後継者講座 女子学生増
産経新聞 7月16日(水)15時17分配信
■中小企業 女性限定交流会も
「家業は男が継ぐ」という考え方はもう古い!? 中小企業が後継者不足に悩む中、家業を学び、継ごうとする若い女性の姿が目立っている。関西学院大学(兵庫県西宮市)で家業について学ぶユニークな「事業承継講座」では今や受講者の半数以上が女性になり、中小企業の支援を行う大阪産業創造館(大阪市中央区)でも、女性の中小企業後継者だけの交流会が春からスタート。研究者は「挑戦する女性が増えている」と分析する。
近年、中小企業が後継者に悩むケースは多い。帝国データバンクが平成23年に行った調査では、国内の65・9%の企業で後継者が不在と回答。特に年商1億円未満の企業は76・3%が後継者不在と答えた。
このような状況の中、関西学院大で23年から始まったのが「事業承継講座」。学生たちが、中小企業の家業について考える機会をつくろうと、定藤繁樹教授がスタートさせた。
家業を継いだ中小企業オーナーなどに体験談などを聞き、後継者に欠かせない心構えやノウハウを学ぶ。
2年目の24年から、受講生を「実家が家業を営んでいる学生」に限定して開講したところ、15人中3人だった女子学生が、25年には21人中7人に増加。26年には24人中14人と過半数を占めるようになった。
父親が神戸市西区で鉄工所を営む同大4年の松本莉奈さん(22)は「長女なので、昔から家業を継ぐのかなと思っていた」と話す。現在、公認会計士の資格取得に向けて勉強しており、「この資格も家業に生かすことができれば。鉄工所は男社会で受け入れられるか不安もあるが、がんばりたい」と意欲を見せた。
中小企業の女性後継者は増加傾向にある。帝国データバンクによると、25年に近畿地区の約16万5千人の中小企業社長に調査を行ったところ、家業を継いで社長になった女性は1万2167人と全体の7・4%。10年間で、3122人も増加したという。
大阪産業創造館では、中小企業の若手後継者を対象に、交流会を月1回のペースで開催しているが、2年ほど前から女性の参加が増えたため、女性後継者だけの交流会を企画した。今年3月に初めて開かれた会合では、製造業や小売業など多彩な業種の女性後継者約25人が参加。今月11日に開いた2回目も予想を上回る人気で、9月にも3回目を開く予定だという。
女性の社会進出に詳しい日本女子大学現代女性キャリア研究所の大沢真知子所長は「高学歴で、働くことに興味を持つ女性は増えている。“家業”というチャンスがあれば、チャレンジしようとする女性が増えてきているのでは」と分析している。
最終更新:7月16日(水)18時28分
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