プロブロガーで消耗している人々
2014/07/18 09:07:00


  ネットに詳しくなりすぎて重要な事を見落としていませんか?| らふらく^^ ~ブログで飯を食う~
  http://laugh-raku.com/archives/7402

これを読んで思ったのは、常に最先端を追いかけていないとならない人は大変だね、ということ。まあそれはエンジニアも同じでお互い様なんだけど、エンジニアは専門分野があって、それに集中してればいいのに対して、プロブロガーとかジャーナリストは特定のジャンルがない分、いっそう大変だな、と。

エンジニアにせよ研究者にせよオタクにせよ、四六時中そのことばかり考えている人間は、逆に世間一般の普通の人の水準がどこなのかわからなくなってしまう。ただエンジニアや研究者は良くも悪くも内部で閉じている部分があるから、それでいいんだよね。そのジャンルのエンジニア同士の中で先に進んでいけばいい。

世間は置いて行ってもあまり差し障りない。まあこれがしばしば「専門馬鹿」と批判される理由だろうけど、それほど差し障りがあるとは思えない。エンジニア同士でさえ、ちょっとジャンルがずれると情報に疎かったりする。「俺より詳しいな」と尊敬している人が、俺が知ってるような情報を案外知らなかったりする。

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でもそれでいいんだと思うんだよね。必要性を感じたら情報を入手すればいいし、知ってる人に聞けばいい。なにも先を争って最新情報を追いかけるのに全力を尽くす必要はない。それよりも自分が今取り組んでる研究に全力を傾けることの方が大事。

よく語られる逸話に「研究に没頭するあまり戦争があったことを知らなかった研究者」というのがある。

  理科の教育にもっと広がりを
  http://chem.sci.utsunomiya-u.ac.jp/v2n1/sugiyamas/kantougen.html

なんというか思考のための情報収集なのに、情報収集が目的になってしまう人が多い。まあそういう人も社会的役割を果たしているわけで、悪いとは言わないが。というか非常にそういう人たちの存在は便利。頼みもしないのに忙しそうに情報をかき集めて「これ知ってる?」と教えてくれる。

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冒頭の記事の話に戻るけど、こういうのってこれまでいくどとなく繰り返されてきた事。インターネットが一般に普及し始めた頃「いまどきの人は、こんなことも知らないのか」と俺たちも嘆きあったものだ。

ブロガーは2タイプにわかれると思うんだよね。インターネットが世間に普及する以前から何らかの活動をネットでしていて、その延長でいまもブログを書いている人が一群にいて、まあその最終形態がアルファブロガーとか言われた人たちだと思う。PVにこだわらないといえば嘘になるだろうけど、それよりもマイペースで淡々と有益な情報を書くことを重視している。

一方で新世代のブロガー、これはブログを書いて有名になるのが目的。有名になるにはどうすればいいですか?みたいな。前者は結果的に有名ブロガーになったのに対して、後者は有名ブロガーになるのが目的。

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別にそれを否定はしないけど、有名になること自体(PVを上げること)を目的とすると、いろいろ大変だよねと思う。まさに常に最先端を追いかけてないとならない。しかも素人を相手にしなければならない。

前者が専門家同士で自己満足してれば良い世界なのに対して、後者は素人ウケこそ大事。素人は飽きやすく、なおかつ底の浅いものが好きだから(深くなると敬遠される)、素人のためにブロガーも次から次へと新しいものを提供しなければならない。自分の思考が深まっていかない。まあ、俺から見るとまさに「消耗している」ように見えてしまうのだけど、まあ彼らは彼らでそれを生きがいとしているのだ。そういう人たちがいるおかげで俺のような情報収集のものぐさ人間も楽して情報が手に入るし。

いやホント彼らには感謝している。学生時代もそれを生きがいとしている人たちにずいぶんと助けられたものだ。頼みもしないのにいち早く情報を届けてくれる。対価も要求せず。彼らにとってはいち早く最新の情報を入手し、それを周囲の人間に伝えることが無情の喜びらしい。

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理系の大学だったので、当時コンピュータ関係の会社でバイトしている人は多かった。そういう学生の間を渡り歩き、「今度○○社は○○するという噂だ」みたいな業界事情通みたいな。俺は当時からおっとりしてたので、せっかくそういう情報をもらっても何も活用するすべがなかったのだが、そんな俺にすらせっせと情報を提供してくれたのだから、もう素晴らしい。

ある友人が何か情報を持ってきた後、すこし遅れて別な友人が「この話知ってる?」とか言ってくる。「あ、その話さっき聞いた」とか答えると悔しそうに「くそ、負けたか」とか(笑)。彼らにとってはいち早く情報を入手することがステータスなのだろう。いやはや、ホント便利。これを「そんな一刻を争って競争しなくても…」と考えちゃう俺は、ダメなんですな。どうも俺は「(人類の)誰かが知ってれば、別に俺が知らなくてもいいじゃん」と考えちゃうタイプなんだよね。競争には不向きだ(苦笑)。

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