地方発の世界的「エンタープライズスクープ」
兵庫県の「号泣県議」が全国的な注目を集めている。政務活動費で不透明な支出を指摘され、記者会見で号泣した野々村竜太郎県議(7月11日付で辞職)のことだ。
そもそも野々村氏の不透明支出問題が明らかになった発端は何だったのか。私は当コラム執筆のために国内紙だけで5紙を購読しているが、どの新聞を読んでも「~ということが分かった」「~ということが明らかになった」などとしか書かれておらず、雲をつかむような思いだった。
ネットで調べると神戸新聞のスクープであるらしかった。確かに、他紙が何も報じていないなか同紙は6月30日付の夕刊1面に続いて、7月1日付朝刊の1面でも大々的に報じている。これでも裏づけとしては不十分なので、神戸新聞に直接問い合わせてみたろころ、「当社のスクープであることに間違いありません」という返答を得た。主要メディアは神戸新聞のスクープという事実を黙殺していたのである。
神戸新聞の役割に光が当たらなかったものの、野々村氏の不透明支出問題は国内メディアばかりか海外メディアでも大きく取り上げられた。この点を考えれば、神戸新聞は地方発の世界的スクープを放ったといえよう。
しかも単なるスクープではない。お手本とすべき「エンタープライズスクープ」である。
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牧野 洋の「メディア批評」 神戸新聞の「号泣県議」スクープと地域報道の役割を黙殺した主要メディア (2014.07.18)
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