マレーシア航空機 ウクライナで撃墜か7月18日 2時28分
マレーシア航空は、オランダからマレーシアに向かっていた旅客機がウクライナの上空で消息を絶ったと発表し、ロシアのメディアは、旅客機がロシアとの国境に近いウクライナ東部で撃墜されたと伝えています。
マレーシア航空はツイッターで、オランダのアムステルダムを出発し、クアラルンプールに向かっていたマレーシア航空17便が日本時間の17日午後11時15分に消息を絶ったことを明らかにしました。
マレーシア航空によりますと、この旅客機はボーイング777型機で、乗客280人、乗員15人が乗っていたということで、ロシアとの国境からおよそ50キロ離れたウクライナ東部で通信を絶ったとしています。
またロシアのインターファクス通信は17日、ウクライナ内務省の高官の話として、マレーシア航空の旅客機がウクライナ東部ドネツク州の上空で撃墜されたと伝え、乗客乗員全員が死亡したとしています。
一方、ウクライナの大統領府によりますと、ポロシェンコ大統領は17日、「ここ数日間でウクライナの軍用機2機が撃墜されたが、マレーシア機が撃墜された可能性は否定できない」と述べたということです。
またロイター通信は、ウクライナ東部のドネツク州で炎上している旅客機とみられる残骸が確認されたと伝えています。
マレーシアのナジブ首相はツイッターで「旅客機が墜落したという報告に衝撃を受けている。直ちに調査を始めた」と述べ、対応に乗り出したことを明らかにしました。
ロシアの国営テレビは墜落現場とみられる写真を放送し、その中では、マレーシア国旗が描かれた破片や、マレーシア航空のトレードマークである赤と青の塗装がされた飛行機とみられる破片が映し出されています。
政府軍と武装集団の戦闘続く
ウクライナではことし3月、ロシアがクリミアを併合したあと、東部のルガンスク州やドネツク州でも独立を求める動きが相次ぎ、ウクライナの政府軍と、親ロシア派の武装集団との間で戦闘が続いています。
戦闘は今月に入って激しさを増し、今月13日には、ロシアとウクライナとの国境地帯で、砲弾がロシア側に着弾して市民1人が死亡し、ロシア政府が抗議していました。
その翌日には東部のルガンスク州にあるロシアとの国境近くの町で、兵士ら8人を乗せた軍の輸送機が撃墜され、ウクライナ国防相はロシア側からミサイルが発射された可能性があるとの見方を示していました。
また、ウクライナの国家安全保障・国防会議の報道官は16日、ロシア領空を飛行しているロシア機が、ウクライナ領空に向けてミサイルを発射したと発表しましたが、ロシア側は否定していました。
岸田外相「日本人安否確認を指示」
岸田外務大臣は日本時間の18日未明、訪問先のウクライナで記者団に対し、マレーシア航空の旅客機が撃墜されたと報じられたことについて、「報道は承知している。私から事実関係と日本人の安否を至急確認するよう指示を出した」と述べました。
そのうえで岸田大臣は、「現在、オランダにある大使館を通じて乗客リストの確認をしているほか、ウクライナにある大使館を通じてウクライナ政府などに情報の提供を求めている。ただ現状では確たる情報には接していない」と述べました。
ボーイング777型機とは
ボーイング777型機は、アメリカのボーイング社が開発した双発のジェット旅客機で、1995年に就航しました。
機体の長さはタイプによって63.7メートルから73.9メートルあり、翼の両端の長さは60.9メートルから64.8メートルあります。
方向舵や補助翼をデジタル信号で作動させるフライ・バイ・ワイヤと呼ばれるシステムを採用し、機体の姿勢や速度をコンピューターで管理するハイテク機です。
エンジンの出力が向上した300型と呼ばれるタイプでは、ジャンボ機に匹敵する500人以上の乗客を運ぶことができ、この他のタイプでは客席数は200席から300席程度となっています。
777型機は、就航以来、墜落などの大きな事故はありませんでしたが、去年7月、韓国のアシアナ航空機がアメリカ・サンフランシスコの空港で着陸に失敗して炎上したほか、ことし3月には、マレーシア航空機が南シナ海上空で行方不明となり、インド洋に墜落したとみられていますが、今も機体は見つかっていません。
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