アンクレットおじ祭りに提出。
書き殴り一発書きですが。
ほんとアンクレットだけ身に付けてる虎徹さんセクシーでたまりませんね。

*兎虎です。そういう表現はぼかしてあります。
虎徹さん視点。




「やだ…離れたくねえ」
「駄目ですよ、虎徹さん…もう行かないと」
そんなやりとりをして、俺はバニーの仕事をそっとTV越しに見てた。
そばにいたいのに、いられねえ。
今までそんな事なかったから、こうなると花みたいに萎れちまう。
あいつの存在って、俺の中でこんなに大きかったんだって。
…そばにいてくれないと、つい横を見ちまうんだって。
一人がこんなに辛いんだって、思い知る。

だから、離れててもそばにいられるようななんか、身に付けてられるものとかねえかなってネイサンに相談してみた。
あいつはこういうの超詳しいからよ。
そしたら、アンクレットってやつがいいって教えてくれた。
あーっと、所有の証だとかなんとか…?左と右も間違えんなって、いろいろあるみてえ。
どんなんにしようか迷って、見て歩いてたらたまたま通りでそういう露店広げてる兄ちゃんに会ってさ。
若ェのに苦労してんなって意気投合して。
好きなように作ってくれるって言うんで、結局俺は皮ひもに赤と緑のビーズを通してもらった。
あんまり飾りがついてても、動けば音鳴っちまうしさ。

そんな訳で、俺は作ってもらった世界にひとつだけのアンクレットを持って帰った。

その夜、家でTV観てたら、バニーから電話が掛かってきた。
今日は久しぶりに早く終わるから、貴方の所に行ってもいいですか。
嬉しいのを隠して、俺はいいぞって答えた。
腹も減ってるだろうから、チャーハンも作って、…多分ヤるだろうなって思って、ベッド周りも綺麗にした。
あいつが家に出入りするようになって冷蔵庫に増えたペリエも出して、風呂も洗ったところで玄関が鳴った。
…合鍵渡してんだから、そのまま入ってくりゃいいのに律義なやつ。
そうして出迎えた俺を、あいつはいきなり抱きかかえる。
「ちょ、待ち待ちバニ、メシ!」
「…それは、あとで。今は貴方が先です」
「だっ」
雄臭い顔でんな事言われて、一気に体から力が抜けた。
…俺も大概だわ、もう。


シーツがいろんなもんでぐしゃぐしゃになるほどやって、バニーが水を煽る。
それをぼんやり見て、あいつに体を寄せる。
「…どうしたんです?」
ちょっと寂しがってるのに気が付いたみてえで、バニーが笑って俺の髪を撫でる。
「…あ!」
俺は不意にケツのポケットに入れたまんまのアンクレットを思い出した。
バっと離れてそれを引っ張り出すと、バーナビーも不思議そうに俺を見てる。
「…バニー、これ」
「…?ブレスレット、じゃないな。アンクレットですか?」
「そう」
これさあ、と言いかけて、いきなり恥ずかしくなった。
作ってもらった理由を説明すんのがやばいくらい恥ずかしい。
「…虎徹さん?」
それでも、引っ張り出したのは自分だ。
顔を覗き込まれて、俺は観念してぼそぼそと気持ちを言葉にした。
隠し事はなし、言いたい事はちゃんと言ってください。そう言われてても、恥ずいもんは恥ずいの!!
「あー、その、…お前とさ」
「?」
「夜しか、一緒にいらんねえだろ。だから、…いっつも一緒にいるってさ、そういうのがなんか欲しくて、ネイサンに相談してさ」
「…それが、アンクレット?」
「…アンクレットって、所有されてっとか、約束の証とか、そういう意味があんだって。…だから」
バニーが俺の言葉を待ってる。
だっもう、俺どんな顔してんだろ。すんげえ真っ赤じゃねえ?

「…お前に、これ、…つけてほしくて」

言葉にして、たまんなくて顔を隠そうとしたら先に腕を掴まれた。
顔を上げるとバニーがちょっと眉を寄せて、でも物凄く嬉しそうに笑ってる。
その顔を見れただけでも十分じゃねえかと思ったけど、バニーははあ、と色っぽい溜め息を吐いた。
「何ですかそれ…僕が嬉しいだけだ」
俺の足首を取って、ちゅ、と音を立てて足の甲にキスしてくる。
「だっ」
足を引こうとしたけど、バニーはそれを許さない。
「貴方の此処に、僕と貴方の色のアンクレット…結びますね」
「お、おう…」
革ひもは思った以上に肌にぴったりと馴染んだ。
でも、ビーズが動くと存在を主張するから、…なんていうか、これがあるって忘れないでいられんのがたまんねえ。
「左は、浮気相手募集中なんだってさ」
ふと思い出したんで言葉にすると、バニーの顔色が変わった。
「…絶対に右から外さないでくださいね?」
「外さねえよ」
「出動の時も、お風呂の時も、…僕とのセックスの時もですよ?」
「だっ、わーってるよ!外さねえよ!」
「ならいいんです。…それにしても、」
腿から膝、すねまで指で辿られて、俺は思わずびくんと体を揺らした。
ヤったばっかだから、まだ体の奥が熱い。
んな触れられ方したら、…また盛っちまうだろ!
睨めばそういう目的で触れているんです、なんてバニーが言って、キスが降りてきた。
股を開かされて、足首にちゃんとアンクレットが見える。

これ、やらしくていいな。
なんてバニーを見れば、僕もつけてもらおうかな、なんてあいつが笑う。
駄目、これは俺だけな。
俺だけの秘密。

それから、俺は何気なく足首に触れる回数が多くなった。
それがあるって実感に、くすぐったい気持ちになる。
足でも捻ったのかなんて牛やベンさんは言うけど、まあ分かる訳ねえよな。

…これ、絶対外さねえから。
本物が傍に居ねえときは、これで我慢すっから。

バニー。
これは、俺はお前のもんだって、証だ。

…心だけはいつも、そばにある。

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