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小保方氏博士取り消さず 調査委、問題点指摘も「早大審査に欠陥」

説明する小林英明委員長
小保方晴子氏の博士論文の調査について、ボードを使って説明する調査委委員長の小林英明弁護士
Photo By 共同 

 理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダー(31)の博士論文に対する問題点を調べた早稲田大の調査委員会は17日、都内で会見し「学位取り消しの規定には当てはまらない」とする報告書を公表した。一方で、論文に計26カ所の問題点を認めるなど完成度の低さを強調。学位を与えた、大学の審査体制の不備も厳しく指摘した。大学側は小保方氏への処分について、報告書を尊重する姿勢を示した。

 調査委は20ページの“英文コピペ疑惑”などが上がった小保方氏の博士論文について問題点26カ所を指摘。弁護士の小林英明委員長は「内容の信ぴょう性や妥当性は著しく低い。博士号に値しない」とした上で「不正な方法で(博士号が)授与されたわけではない。学位取り消しの規定に当てはまらない」と結論づけた。

 調査委の報告書は問題点のうち11カ所を「著作権侵害行為」などの不正とした。その多くを「故意でなく過失」としコピペ部分など6カ所を「不正の方法」とした。だがそれらは学位授与に重要な影響を与えた部分ではなく、コピペ部分は「冒頭の序文で、論文の根幹部分ではない」とした。

 一方、大学の審査体制は厳しく批判。「論文の審査に重大な欠陥や不備がなければ小保方氏に博士号が授与されることは到底考えられなかった」とし、指導教員や審査をした主査、副査に「非常に重い責任がある」と指摘した。

 「博士論文は草稿状態のものを提出してしまった」とする小保方氏の主張は認めた。ただ、小林委員長は「小保方氏にはデータ管理のずさんさ、注意力の不足、博士論文作成に対する真剣味の欠如があった」と指摘。英文コピペについて小保方氏は「許されると思っていた」と話したという。

 小保方氏は“完成版”論文を調査委に提出している。調査委は当初から“完成版”のデータ提出を求めてきたが、小保方氏は5月23日に印刷物を提出。6月24日にデータを提出した。データファイルは6月下旬に更新記録があった。小林委員長は5月24日に小保方氏のヒアリングを行ったといい、その際の印象を「ご病気で、データを送信するのも難しい状況と感じた」と話した。

 調査委の報告後、早大の鎌田薫総長が会見。小保方氏に学位取り消しなどの処分を下す可能性を否定しなかったが、「いったん授与した博士号を取り消すことは重大な不利益処分。報告書を尊重して処分を決めたい」などと話した。報告書は数日中に、一般公開することも考えているという。

[ 2014年7月18日 05:30 ]

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