博士号や早稲田について思うこと
小保方氏の博士号を取り消さない決定、びっくりでしたね。これに関連して Twitter に思うことを連投したのですが、Twitter ってどんどん流れていってしまってもったいないのでセルフまとめをします。
僕のバックグラウンドなんですけど、この前の春に修士号を取得して就職しまして、アカデミア的な頭が多少残りつつも博士号を取る道には進まなかった人間です。
早稲田大学、きっと「あの程度で」博士号を取り消してたら収集がつかなくなるんでしょうね
— ぱろすけ (@parosky0) July 17, 2014
みんな博士号の取り消しを予想してたんだし、素直に取り消せばいいじゃないですか。おそらく「大学の名誉を傷つけた」とか言うだけで取り消しの理由になる。大学側は特に損するわけでもない。
じゃあ何で取り消さないのか。陰謀論的に考えれば、不正があったから学位を取り消しましたという前例をつくってしまうとマズいと判断したんじゃないでしょうか。たとえば早大卒の著名人の博士論文に実は不正があるとか、もっとひどい不正が横行していてかなり多くの人が学位取り消しになってしまうとか。
科学における不正行為といえばヘンドリック・シェーンですけど、その点ではコンスタンツ大学は立派ですよね。卒業後の不正行為が博士論文と直接関係しないのにも関わらず「恥ずべき行為」を理由に学位を取り消している。
ヘンドリック・シェーンは「恥ずべき行為」ということで博士号を取り消されたって話だけど、ああいうプライドの高さは重要なんじゃないかと思いますよ。
— ぱろすけ (@parosky0) July 17, 2014
大学としての地位を守る、あるいは博士号の地位を守る、そのためにはきちんとプライドを持たなきゃいけないでしょうと思います。
とはいえ早稲田ですからね、プライドに対する考え方は一般とは多少異なるかもしれないですよね。
早稲田大学は高田馬場の路上で酔っ払って寝てるのがアイデンティティみたいなとこがあるから、研究上の不正程度では大学の名誉を傷つける行為にはならないのかしれない。
— ぱろすけ (@parosky0) July 17, 2014
彼らは不真面目なことに価値を置いていますから、今回の話もむしろ大学的には名誉なことなのかもしれません。僕は未だに、ただ酒を飲んで醜態を晒すだけのことがどう立派なのかあまり理解できていません。
とはいえこんなの早稲田だけの話であって他の大学は関係ないじゃないですか。我々はそう思いますよね。でもきっと世間はそうじゃないでしょう。博士号ってどうでもいい地位なんだなって思いますよね。僕ですら少しそう思ってしまいます。
たとえば僕とか「ああやっぱり博士号ってあんまり価値がないんだ、博士課程に進まなくて良かった」とか思ってしまうわけですよ。で、たぶんこういうことを思う人は少なくなく、そういう雰囲気が形成されるわけです。これはもちろん長期的には大きな損失ですよね。
— ぱろすけ (@parosky0) July 17, 2014
博士課程とか人間の行くとこじゃないよね、みたいな雰囲気は今でも多少あります。これが既に問題視されているのに、それが強まるとやばいですよね。もちろん専門的な知識で勝負しなくていいのならそれで構わない。たとえば石油を売って生きていけるならそれでいい。けれども我が国とか頭で勝負するしかないじゃないですか。
はあ僕とか実は博士号を取る道から逃げたコンプとかありますからね。
いや僕は博士号ほしいですよ。困難な時代を生き抜くためには何らかの資格があると有利だし、それでもやはり博士号は地位も信頼もある。
— ぱろすけ (@parosky0) July 17, 2014
一般論として終身雇用の崩壊とかありますけど、そうなると職が変わるかもしれなくて、そこでは資格が生きてくる。博士号って「専門知識があります。それと、自分自身で新たな領域を切り開いてそこで成果を上げるスキルがあります」って資格じゃないですか。有利な資格ですよね。現状あまり評価されていないようですが。
たとえばベンチャーとかやりたくて海外と真面目に取引する気があるとすれば博士号があるとかなり有利になると言われている
— ぱろすけ (@parosky0) July 17, 2014
いろいろ話を聞いた感じでは、海外の人から見ると博士号はかなり価値があるらしいんですよね。はあー現状は何でこんなんなんだろうなと思いますね。
まあでもいいんですよ、僕にはもうほとんど関係のない世界の話でもあります。