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事件
血縁なしでも「父子」 最高裁、1・2審判決覆す 関係取り消し認めない判断
DNA型鑑定で血縁関係がないことが明らかになった場合に法律上の父子関係を取り消せるかが争われた3訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は17日、父子関係の取り消しを認めない判断を示した。
北海道と関西の訴訟は母が子の代理人となって夫を相手取り、四国の訴訟は夫が子2人を相手取り、それぞれ父子関係が存在しないことの確認を求めていた。
民法は772条で「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」(嫡出推定)と定めている。嫡出推定を覆すには、嫡出否認の訴えを起こす必要があるが、訴えを起こせるのは夫だけで、提訴期間も「子の出生を知ったときから1年以内」に限られる。
判例では、夫が遠隔地で暮らしているなど明らかに夫婦関係がない場合などには例外的に「推定が及ばない子」として扱われるケースもあったが、3訴訟ではこうした事情はなかった。
北海道と関西の訴訟はDNA型鑑定の結果、婚姻中に生まれた子と夫以外の男性との生物学上の父子関係が「99.99%」とされた。北海道訴訟は離婚が成立、関西訴訟の夫婦は別居中で、いずれも子は母と生物学上の父とともに暮らしているという。
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