アナログシンセサイザー×自動ドラムセットで無人ドラムンベース! ニュージーランド出身Kinetixによる「Robotic Drum Set and Analog Bass」

2014.07.17 Thu

 

楽器を演奏するだけでなく、プログラム制御をはじめデジタル技術を駆使したデジタルシンセサイザーやサンプラー、デジタル式テルミンなどを使い、新しい音楽が日々生み出されている。しかし、「アナログシンセやカセットテープの音が最高!」と言う方にぜひチェックしてほしいのが、今回ご紹介するアナログとプログラミングが融合した「Robotic Drum Set and Analog Bass」。無人で音楽を演奏するレトロフューチャーな映像にもご注目を!

「Robotic Drum Set and Analog Bass」
creator: Kinetix
ニュージーランド出身のミュージシャンKinetixことJason Long(ジェイソン・ロング)が制作したこの作品は、プログラム制御したドラムセットとアナログシンセサイザーによって奏でられる楽曲。“もし、ドラムンベースの作曲に使うサンプラーやデジタルシンセサイザーが発明される前に、ドラムンベースが作られていたら”というコンセプトで生まれた作品だ。もちろん、この無人バンドはリアルタイムに演奏したもので、メインのミキサーでシンセサイザーを制御し、そこに自動演奏のドラムを合わせている。

ジェイソン・ロングは、1985年ニュージーランド、クライストチャーチ生まれの若きミュージシャン。ニュージーランドのカンタベリー大学にて同国の現代音楽家Chris Cree Brown(クリス・リー・ブラウン)やGao Ping(ガオ・ピン)の下で音楽を学んだ後、オランダのユトレヒト芸術大学へ1年留学。その後は世界中でパフォーマンスや楽曲リリースをしながら、2011年からは日本の国費外国人留学生制度を利用して東京藝術大学の博士課程へ進学した。本作も、藝大音楽学部音楽環境創造科などがある千住キャンパスにセットを組み、録音したものだ。

レアなヴィンテージから新型のアナログシンセサイザーまで登場するこの無人バンドのセッティングは、まずモジュラーシンセサイザーとしてRolandのSystem100m(サブベース)とSystem700(ベース)、そしてDoepfer System(スタブと環境音)。その他のシンセサイザーで、YamahaのCS-10(ベース)、およびKorgのMonotron Duo(ベース)、Studio ElectronicsのOmega8(コードと環境音)が使われている。この楽曲は、KinetixのBandcampから1NZドル(約88円)で購入可能だ。

「Analog Drum 'n Bass」
creator: Kinetix
なお、以前にもKinetixは、同様のコンセプトの下でアナログシンセサイザーを使った「Analog Drum 'n Bass」も発表している。デジタル生まれの音楽をアナログ技術を使って再構築するという方向性は非常に面白い。そして、コンピューター上だけで鳴らされるのではなく、実際に音が生まれている様子を見るというプリミティブさは、音楽の本質的な魅力の一つであることを感じさせる。

文:野澤智
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