ベネッセ流出:警視庁 30代SEの男17日逮捕へ

毎日新聞 2014年07月17日 06時30分(最終更新 07月17日 07時58分)

ベネッセの顧客情報漏えいの流れ
ベネッセの顧客情報漏えいの流れ

 通信教育大手ベネッセホールディングス(岡山市)から約760万件の顧客情報が漏えいした問題で、警視庁は、顧客データベース(DB)を管理する外部業者のシステムエンジニア(SE)で30代の東京都内在住の男が関与した疑いが強まったとして、17日に不正競争防止法違反(営業秘密の複製)容疑で逮捕する方針を固めた。任意聴取に対し、男は金銭目的で情報を持ち出し、名簿業者に売却したことを認めており、警視庁は供述の裏付けや流出ルートの全容解明を進める。

 捜査関係者によると、男は昨年末〜今年6月、DBの操作端末があるベネッセのグループ企業「シンフォーム」(岡山市)の東京支社(東京都多摩市)で、自分のIDを使ってDBに接続。顧客情報のデータを複数回にわたって記憶媒体にコピーし、不正に持ち出した疑いが持たれている。

 男は警視庁の任意聴取に対し、「金が欲しくてやった。特定の名簿業者に売却し、総額数百万円を得た」と関与を認めたという。顧客情報のデータは記憶媒体にコピーした後、いったん自宅のパソコンに保存。さらに別の記憶媒体のSDカードにコピーして名簿業者に持ち込んだり、ネット上のデータ保管サービスを通じて売却したりしたこともあったという。

 DBには男のIDで接続し、顧客情報が更新されるたびに何度もダウンロードを繰り返した履歴が残されていた。男が任意提出した記憶媒体からは、DBと一致する大量の個人情報が見つかり、同庁はダウンロードされた時間帯に男が勤務していたかなど、詰めの捜査を進めていた。【林奈緒美】

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