JR西日本:大阪駅北側の駅ビルに滞在型の大型書店計画
毎日新聞 2014年07月16日 22時12分
JR西日本は16日、JR大阪駅北側の駅ビルの新たな中核施設として滞在型の大型書店(売り場面積4000平方メートル)を来春開業すると発表した。レンタルDVD・書籍販売大手の「TSUTAYA(ツタヤ)」を展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」が運営し、販売不振で同ビル内の百貨店「JR大阪三越伊勢丹」が売り場面積を大幅に縮小することに伴い空いたスペースを活用。洋書や専門書などを豊富にそろえ、カフェも併設した快適でくつろげる空間が人気を呼んでいる「代官山 蔦屋書店」(東京・渋谷区)をモデルとした店舗になる。
売り場面積の6割縮小を決めた三越伊勢丹は今月28日から本格的な改修工事に入る予定。来春には、同駅ビル東館の専門店街「ルクア」と一体運営する形で新装オープンする予定で、「代官山 蔦屋書店」の大阪版はその目玉施設となる。ルクアを運営するJR西日本SC開発の山口正人社長は「(滞在型書店という)幅広い世代がゆったりできる場所ができることで、駅ビル全体の集客力が高まる」と期待。新装オープン後の駅ビルについて年約800億円の売り上げを目指す考えを示した。
大阪駅周辺は、大型書店4店が密集しており、蔦屋の新店舗ができることで販売競争が一段と激化しそうだ。「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」は国内最大売り場面積(6800平方メートル)に洋書や専門書も含む200万冊の書籍数を誇る。昨年4月にオープンした大阪駅直結の「紀伊国屋書店グランフロント大阪店」(3500平方メートル)は、店内にカフェや文房具売り場を併設。トークイベントなども定期的に開催しており、蔦屋の新店舗と顧客のターゲット層がぶつかりそうだ。
このほか、駅南側にはジュンク堂書店大阪本店(4900平方メートル)があるほか、徒歩圏内の阪急梅田駅内にも紀伊国屋書店が展開する梅田本店(2600平方メートル)があり、イベントなどに知恵を絞り、集客を競っている。【吉永康朗、岡奈津希】