ジュネーブ=松尾一郎
2014年7月17日00時38分
スイス・ジュネーブで開催中の国連規約人権委員会は16日までの2日間、日本の人権状況について審査した。2008年以来約6年ぶり。委員からは人種差別的なヘイトスピーチ(憎悪表現)や死刑制度、司法機関による捜査のあり方などについて質問が相次いだ。
審査は、委員からの事前質問に日本政府側が答える形で行われ、回答に対する質疑もあった。
ヘイトスピーチについては、委員側から「禁止するための具体的な法律はないのか」との質問が出た。日本政府側は「特定の個人や団体の信用を害する内容であれば、刑法の名誉毀損罪などで処罰可能」とし、民法上や刑法上で該当しない場合の対処については、「表現の自由との関係から慎重に検討しなくてはならない」と述べた。
委員側からは、死刑制度の一時停止の可能性や、「袴田事件」に関連して死刑囚の人権についての質問も出た。日本政府側は、死刑制度について「世論の支持」などを理由に一時停止の可能性を否定。「人の死が伴わないときに死刑が科されたことはない」「(健康診断などで)死刑確定者の心身の状況の把握に努めている」と主張した。
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朝日新聞国際報道部
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