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@stellaSSL はる@ゴネクあ25
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2冊目はもう誰得すぎて_(:3 」∠)_
エヴァ止めながらずっとアクション書き起こしてたけどやめてごはんにしよう
直しはまだです。


そのうちヤシマ作戦とバディ連携駆け回り作戦も出てきます。




『内部電圧安定稼働域で継続、インターフェース接続も良好、フルチェック完了まで5、4、3…』
ぼそぼそと早口で聞こえる斎藤さんの声を念仏のように聞き流しつつ、虎徹はずず、と缶コーヒーを啜った。
空は雲ひとつない青空で、眩しいほどに明るい。虎徹は一人ロンリーチェイサーに腰掛け、体の力を抜いてただその時を待っていた。
緊張はない。もっと凄まじい修羅場だって、たった一人でいくつもくぐってきている。
『重力偏差を捉えた!』
ぴくり、と虎徹の肩が動いた。
『よしタイガー!!フル・チェックオールクリア!座標を転送する!会敵まで3分20秒!』
斎藤さんの声がにわかに大きくなる。だが、肝心の声が聞こえなければ困るので音量は下げない。
「了解!んじゃ、向かいます!」
『タイガー、せっかくそこに追い込んだんだから逃がさないでよ!軍の車両200台分よ!』
「わーってるって!」
缶コーヒーの残りを一息に飲み干して、自販機横のダストボックスに向かって缶を投げる。
缶は見事な放物線を描いてダストボックスに吸い込まれ、からんという甲高いいい音を立てた。
虎徹の目の前には什器が通るための自動開閉の天板があり、それが静かに左右に開いていく。これは洪水回避用の大型地下水路への入口だ。
三方を海に囲まれ、かねてより水害が多かったシュテルンビルトは治水を余儀なくされてきた。
故に生活排水と飲み水の供給に使う通常の下水路の他に、緊急時に開放する大型水路も網の目のように張り巡らされている。
正式名称を『シュテルンビルト外殻放水路』といい、大雨で2つの川、バンゲリングリバーとイーストリバー、2つの川の水が一定の水量を超えると、その水を水門を通して放水路へと流し、防波堤を備えたシュテルン湾沖へと水を放出する。
放水路には吸水用の渦流式ドロップシャフト立坑が6か所あって、立坑の側面から地下50mにある直径10m、長さ6.3Kmの広大な調圧水槽まで水を落とし、勢いを減殺させた上で水を流す。
ロンリーチェイサーがエレベーターで静かに下まで降りると、虎徹の目の前で二重の分厚い防水扉が開いていく。
そこはもう高さ18m、幅78mの巨大な空の水槽だ。
『聞こえるかタイガー、タイガー!!大丈夫か!?』
「ちょい斎藤さん、ボリューム絞って!聞こえてますって!!」
『そこは地下50mだからな、奴さんの重力偏差もあっていつ断線するかも分からないぞ!!周波帯も今はバーナビーには切り替えられないからな!』
バーナビーの名前に虎徹がぴくりと反応する。
バーナビーは今、虎徹とは別の敵に対峙するため移動中のはずだ。
珍しくも風邪気味でふらふらと空を飛ぶスカイハイ以外はバーナビーしかできない空戦だ。
颯爽と青い空を舞う姿を見たかったな、と、一瞬だけ思いを馳せる。だが、これも虎徹にしかできないことだ。
自分は自分の仕事をこなす。
「わーってますって!」
叫び、俄かに据わったアンバーアイズが強く輝く。
「ワイルドに吼えるぜ!」
蹴りの一発でキックスタートを決めると、虎徹はアクセルターンで華麗に180度転回し勢いよく水路に飛び出していった。
「しっあわっせは〜、あっるいってこない〜」
地下水路の中をロンリーチェイサーがひた走る。通った後は眩しくライムグリーンのテールランプが美しい尾を引いた。
「だーかっらあるいていくっんだねー」
『チェイサーだろう!』
「そういう細けェことは言いっこなし、斎藤さん!」
ぼこん!と遠くで音がした。音は2度、3度と続き、最後の一回は凄まじい破砕音を伴った。
虎徹にはカメラクルーはついていない。アニエスと回線は繋がっているが、虎徹とバーナビーが同時に展開しているため、カメラクルーはより視聴率の取れるバーナビーへとべったりだ。
多分虎徹は音声のみでの出演だろう。
けれど、虎徹には元からそんなことは関係ない。カメラがいようといまいと、やることはただひとつだ。
『タイガー、10番の隔壁が破られた!!敵が侵入してくる!会敵まで18秒!』
鉄製の何十枚もの隔壁を、じじ、とレーザーが焼いていく。
円状にレーザーが扉を焼き切り、ごん、と鉄が床面に落下する。そこから現れたのは、全体が骨のみの蛇と鳥をかけあわせたような、禍々しい怪物だった。
足を動かしてガシャガシャとトンネルの中を進んでくる。
「おいでなすった!!」
虎徹はロンリーチェイサーを止めるどころか、速度を更に上げた。
「斎藤さん、チェイサーまたやっちまう!ごめん!」
いつぞやの海に2回ものダイブを言っているのだろう。
『いい!!また作るさ!構わん!』
斎藤さんも今回ばかりは仕方ないと許可を出す。
「っしゃ、行くぜ!!」
虎徹はあえて真っ直ぐに化物へと突っ込む。
化物の目が光り、どん、と音を立ててレーザーが照射される。
「うお、あっぶねえ!!」
虎徹はそれをスキール音を立てなから右に避け、そのまま横滑りさせて化物の足元に飛び込む。
青く全身を光らせてチェイサーを足場に飛び、拳を腹部から叩き込む。
グギャアアアアアアアアアアアと耳障りな声をあげて、化物はトンネルの側壁に叩きつけられた。
だが、致命傷には至らない。虎徹が打ち込んだ左側で、赤い珠のようなものがどくどくと脈打っているのが見えた。
『斎藤さん、赤いとこが弱点か!?』
『そう!それが、コアだ!漫画を見るとそう書いてるね!』
「っとに、厄介な能力だな…っと!」
『再び重力偏差だ!タイガー、上に逃げるぞ!』
化物は今度はレーザーを上に照射し、硬いトンネルと地下岩盤ごと筒状に持ち上げてしまう。
頭上には明るい天使の輪が煌めいた。
「…まじかよ」
『大マジだ!タイガー!能力残り3分!』
「追っかけます!」
虎徹は側壁を交互にジャンプしながら、化物の後を追う。
化物があと僅かで水路を抜けきる瞬間、虎徹が追いつく。
「おらああ!!!逃げんなあっ!!!」
渾身の力で拳を振るい、首をコンクリートの外壁ごと縫い止める。
一瞬化物は動きを止めたが、目を光らせてまたレーザーを打ってくる。
「だっ!!」
虎徹のすぐ左を熱線が凪いでいって、後方の側壁はブチ抜かれ激しい熱量がヒーロースーツに襲いかかる。
『タイガー!!』
『クソあっちい…このっ!!』
体をぐるんと回し、虎徹は胸元の赤いコアを両手で掴む。
『グローブの限界は10秒だ!タイガー!』
「わーってますっての!!!くたばりやがれええええっ!!!!」
【能力終了、15秒前】
グローブがコアの表面の酸に負けて溶けていく。
じゅうじゅうと上がる湯気の向こうで、虎徹は渾身の力を振り絞った。
【能力終了、10秒前。10、9、8】
――――ばきん!!
グローブが素手になるのとほとんど同時に、赤いコアも虎徹の両手で握りつぶされた。
膨れ上がった化物は炎を上げて爆散し、虎徹も最後の2秒で上方へと脱出する。空には巨大な十字架が上がっていた。
破裂した赤いコアからは大量の液体が立坑から下にこぼれていく。
「うわ、すげえな!」
『それに触れるな!コアの表面ほどではないが、毒に近い!戻って洗浄を』
「…こっからバニーのって、見えないすかね?」
『モニターなら転送できる!肉眼では難しいだろうが、空にヘリや輸送機が跳んでるのは見えるんじゃないか!?』
「おー…!」
虎徹は手を額に当てて、遠く海の方を見た。
「手ェ危なかったな、あいつ大丈夫かな…」
とはいえ、大きな心配はしていない。虎徹よりもずっとバーナビーは頭が回るし、そんなこともとっくに計算に入れてあるだろう。
「見てるぞバニー、踏ん張れよ…!」
ピックアップが来るまでと虎徹は手近なガードレールに腰掛け、じっと空を仰いだ。


触れる海面を凍らせて、化物が陸地へ向かって歩いてくる。
迎撃に出た戦闘機や軍用ヘリがミサイルをどれだけ打ち込んでも、化物はびくともしない。
「では、ハッチを開けます」
にっと口元だけで笑い、虎徹は勢いよく側扉をスライドさせた。途端冷たい外気が吹き込み、ざ、と虎徹とバーナビーの髪を散らす。
抜けるような青空の中、もうもうと立ち込めるスモークウォールが下に見えている。肉眼で下を確認してからフェイスカバーを下ろす。
載っているのは大型戦略重爆撃機
『バーナビー、用意はいい?』
「ええ。いつでも」
『…その大型戦略重爆撃機は、仮にあなたが駄目だった場合の保険ですって。失礼しちゃう』
「構いませんよ。出番はないと思いますが、高いお金を払ってまでの万が一の待機はむしろ賞賛すべきでしょう」
やや刺のある言い方に、そばにいた士官も苦笑する。
「現在高度はシュテルン湾上空上空約200m。風は微風、地表気温は約15度です」
「陸地までは1km弱というところですね。では、行きます。アニエスさん、後はサポートを」
斉藤さんは虎徹のサポートについているはずだった。
斎藤さんがいれば虎徹は大丈夫だ。
バーナビーは耳のセンサーをタップし、索敵モードから何個もウィンドウを開き、並列処理を行いながら周辺の必要な情報を拾い上げていく。
『カウント、合わせるわよ。能力を発動したら教えて』
「はい。それでは」
バーナビーはとんと床板を蹴り、空中へと身を躍らせた。
能力を温存するため、まだNEXTは使わない。姿勢とバーニアだけで速度を微調整し、眼下にいる化物を捉える。
背のバーニアをフラップ代わりに制御し、上手く減速しつつ降下していく。
このバーニアは僅かな空気抵抗を受けると、ある程度までは自動制御してくれる便利な代物だ。それ以外の複雑な部分はバーナビーの重心移動で制御され、補助翼の役割だけでなくブースターのようにして使う事も、推進剤を点火してスラスターのように使う事も出来る。
このシステムはバーナビーのスーツにおける斎藤さんの肝入りで、このバーニアのおかげで短時間ならばバーナビーは飛行する事さえも可能である。
まさにこういう時にうってつけの装備だ。
「あと15秒で接触。能力発動、会敵します」
『カウントスタート!!映像も回して!』
【さぁー始まりましたHEROTV!本日は予定を変更して、特別番組編成にてお送りしております!!中継はシュテルン湾からお送りしております!朝からのニュースでもうご存知の方も多いでしょうが、…】
マリオの実況が流れる中で、化物が突然時計のような顔をバーナビーへと向けた。瞬間、黒い鞭のような触手が無数にバーナビー目がけて放たれる。
【おーっと、バーナビー大丈夫か!?】
「フッ」
不敵に笑うと、バーナビーは身を捻って華麗に触手を躱す。
細かなひとつひとつの姿勢制御さえも優美で、TVの中継を見ていた女性たちからは歓声が上がった。
【お見事!!バーナビー、華麗に触手を避けます!勿論かすりもしません、流石ですね!!】
振り子時計のような形をした化物は、絶えず形状変化をしている。赤と青の顔がまるで時計の秒針のように動いている。
「5、4、3」
バーナビーは腰を捻り、空中から蹴りを打ち出した。
蹴りは見事に赤いコアを弾き飛ばしたが、コアはただ黒く染まってどんと破裂するに留まる。
『違う!デコイよ!』
アニエスが叫ぶ。
言葉通り化物は再び形状を変化させ、赤い巨大なコアを黒い金属のようなパーツで覆い隠そうとする。
【さあ、デコイでなく本物のコアが姿を見せた!!だが、コアはまた隠されようとしている!どうするバーナビー!?】
「そんなことはさせませんよ」
バーナビーは一瞬四肢を広げて空気抵抗を作ると、バーニアを吹かせた。
『一撃で仕留められなかったら、離脱!長時間コアに触れるとスーツごと侵食されて溶けるわよ!』
「僕が、仕留め損なうとでも?」
一瞬ふわりと持ち上がった体で、ぐんと化物の両足の付け根の部分を蹴る。
「はあっ!!」
再びコアの上に出たバーナビーは、腰を回してコアを蹴り落とした。
見事にコアは今度こそ爆散し、海を赤く染める。それでも、これが陸上に上がればもっと甚大な被害が出ていただろう。
フラップとバーニアで見事に減速し、すたりとバーナビーは沖に出ていた護衛艦の甲板に着地する。
勿論その一部始終はHEROTVが独占生中継していた。


08:58 AM - 11 Jan 14 via Twishort

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