久喜市下早見の県立久喜図書館は24日まで、同館で所蔵している自然科学や技術、芸術、文学分野の雑誌の創刊号約50誌の展示をしている。同館は2003年の再編で、科学や芸術、文学に特化した図書館になった。12年度のデータ整理をしていた際に雑誌の創刊号が多いことが分かり、今回の創刊号展示を企画したという。 展示された創刊号は貸し出しは行っていないが、一部雑誌を除くコピーや館内での閲覧ができる。展示後は書庫に保管するが、出納依頼があれば閲覧できるという。 今回は明治末期の1906年から74年までに創刊された雑誌を展示。75年以降に創刊された雑誌展示はデータの整理後、第2弾の企画として、展示を検討するという。 展示している雑誌のうち、人気があるのは30年創刊の「山と渓谷」(山と渓谷社)。37年創刊の「インテリゲンチャ」(近代書房)は国立国会図書館にもない貴重な雑誌だという。 特に科学や技術分野の雑誌の内容の変化は顕著で、31年創刊の「科学」(岩波書店)の横に置いてある最新号はips細胞の話題を取り扱うなど、雑誌から科学技術の変遷が感じられる。 貴重な雑誌を並べることについて司書の石川千絵さんは「ここは博物館や美術館ではなく、図書館なので実際に資料を手に取ってもらわないと意味がない」と説明。劣化した雑誌はカバーをかけ、雑誌には防犯対策もしてあるという。 石川さんは「どの創刊号もページを開くと、編集者のコメントが書かれている。創刊号から時代の息吹や鼓動を感じてもらえたら」と望んでいた。 同館開館時間は平日午前9時から午後7時、土日午前9時から午後5時まで。21日は休館。 問い合わせは、同館(電話0480・21・2659)へ。
[記事全文] 【埼玉新聞】
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