高村副総裁:「首相、靖国行かぬ」中国要人に見解…訪中時

毎日新聞 2014年07月13日 07時30分(最終更新 07月13日 16時35分)

自民党の高村正彦副総裁=喜屋武真之介撮影
自民党の高村正彦副総裁=喜屋武真之介撮影

 自民党の高村正彦副総裁は、5月の訪中時に中国要人と会談した際、「安倍晋三首相はもう靖国神社には行かないと思う」との見通しを伝えたことを明らかにした。毎日新聞が設定した五百旗頭真(いおきべ・まこと)熊本県立大理事長との対談で語った。11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に日中首脳会談に応じるよう、中国側に促した形だ。

 高村氏は会談で、「日中関係が進展すれば、首相が行くことは絶対にないと思う」と語った。そのうえで「首相が約束することではない」と個人的な見解と断りつつ、「(会談で)そういうことを言い切ってきた」と強調した。中国は首脳会談に応じる条件として、首相が靖国を参拝しないよう求めている。

 高村氏は5月に訪中した際、中国ナンバー3の張徳江全国人民代表大会常務委員長ら複数の要人と会談。張氏との会談では、APECでの首脳会談を呼びかける首相のメッセージを伝えた。張氏は「習近平国家主席に伝える」と語り、高村氏としては「望みなきにしもあらずという感覚を受けた」という。

 五百旗頭氏との対談で高村氏は、首相が第1次内閣時に靖国参拝を見送ったのは「自分が我慢すれば日中関係が進展する」との判断だったとし、昨年末に参拝したのは「自分が我慢してもこんな(冷え込んだままの)状況ならば、参拝しようという気持ちがあった」と首相の思いを代弁した。

 習主席については「安倍首相も習主席も『戦略的互恵関係』を取り戻したいと考えていることは疑いない」と指摘。関係改善の糸口を探るためには「首脳会談も当然やらなければいけない」と述べた。【宮島寛】

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