――ただ一度の過ちが令嬢の身を焦がし、獣欲に蝕まれた肉体は淫らに花開く――』
名家の令嬢として生まれた「周防院櫻子」は、家族に愛され、友人に愛され、
令嬢と呼ばれるに相応しい気品と気高き心を持つ、美しい女性だった。
「櫻子」には、輝かしい未来が約束されているはずだった。
しかし、時代がそれを許さない。
時代の移り変わりに順応出来なかった「実家」が「没落」の危機に陥ってしまう。
狙いすましたように「櫻子」に囁きかける声。
それは、彼女の家への融資を盾にした提案――
「商品としてオークションに出る事」であった。
悪魔の如き囁きに「家族」や「未来」を憂いた「櫻子」は呑まれていく。
特集: アイル特集