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国際
【日韓の細道】「強制連行」という魔術語 首都大学東京特任教授・鄭大均
2014.7.5 11:00
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「強制連行」という魔術語を使って在日の由来を語ったのは朴慶植(パク・キョンシク)氏の『朝鮮人強制連行の記録』(未来社、1965年)である。この本には60年代末に出合ったが、ひとごとのような気がした。私は父が「強制連行」で日本に来たのではないことを知っていたし、周囲の在日一世にもそれらしき人はいなかった。一世とは、無理算段して朝鮮の故郷を脱出した人びとではなかったのか。
とはいえ、この言葉。ときおり左翼のメディアに現れることはあっても、それ以上の影響力を発揮することがないという時代が長く続いた。転機になったのは韓国ブームが起き、日韓の間に教科書問題が生じ、在日たちの指紋押捺(おうなつ)拒否運動が展開された80年代のことである。メディアで水先案内人の役を担ったのは左派系の人びとであり、この言葉の流布に一役買ったのは彼らである。「強制連行」は大衆化すると変わり身の早い言葉となり、かつてあった名前(徴用、労務動員)をかき消すとともに事実を攪乱(かくらん)させ、やがては「慰安婦」というような言葉に結びついて、有頂天の時代を迎える。
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