15日、全羅南道・珍島の旅客船「セウォル号」事故海域では、惨事発生から3カ月たっても生死が分からない11人を探すため、水中調査が続けられた。潜水士たちはまだ開けられていない残り一つの船室を捜索するための作業を行った。111室ある船室のうち、「未捜索」となっている唯一の船室、4階左舷船尾の28人部屋だ。「SP-1」という作戦コード名が付けられたこの部屋を潜水士たちは「あの部屋」と呼んでいるという。汎(はん)政府事故対策本部関係者は「あの部屋に至る船内通路には障害物が多く、中に入るのは事実上不可能だ」と話した。だが、そう言いながらも「あの部屋には少なくとも1人は行方不明者がいると推定されるため、外壁を切断してでも絶対に捜索を完了させる」と話す。すでに複数回にわたり捜索をした110の船室は、海軍海難救助隊(SSU)、119救助隊、海洋警察、民間ダイバーたちが再び「クロス捜索」をしている。クロス捜索とは、それぞれがこれまで捜索した部屋ではなく、別の船室を担当し捜索することだ。一度捜索した場所にまた入れば、先入観があるためきちんと捜査できない恐れがあるため、これを防ごうという措置だ。
今も家族の元に戻っていない行方不明者は、檀園高校(京畿道安山市)生徒5人、教師2人、セウォル号乗組員1人、一般乗客3人だ。先月24日に同高校の女子生徒ユン・ミンジさん(17)の遺体が発見されてから21日間、行方不明者発見のニュースはなく、「骨のひとかけら、髪の一束でもこの手で触れたい」と言っていた家族たちの心は灰のように燃え尽きてしまっている状態だ。「水中人工呼吸器」を使い行方不明者を捜索すると言っていた米国の潜水士チームは水に入ることさえできずに帰国した。16日から事故海域が梅雨に入るとの予報を耳にしたからだ。船内にはさらに泥が流れ込んでいる。