今月初めに日本が集団的自衛権の行使を決めたことについて、全面的に歓迎する意向を示したオーストラリア与党の政治家が今度は日本軍を美化し、中国を刺激する発言を繰り返している。
アボット首相は今月8日、オーストラリアを訪問した安倍晋三首相と会談し、「日本軍の行動に同意はしないが、任務を遂行する上で見せた名誉ある姿を尊敬している」と述べ、第2次世界大戦当時の日本軍を美化した。
アボット首相は日本について、「アジアでオーストラリアと最も近い友人」だとしたほか、日本人について、「代表的な一等世界市民だ」と称賛し、親身さをアピールした。ビショップ外相は10日、オーストラリアのメディアによるインタビューに対し、「中国は弱者を尊重しない。オーストラリアは中国に対抗し、平和と自由の価値を守る」と対立姿勢を見せた。
首相をはじめオーストラリアの有力政治家がこうした発言を行うのは、中国の膨張がオーストラリアの安全保障にとって脅威になるとの危機感があるためだ。中国が南シナ海の領土紛争でベトナムやフィリピンを圧迫していることやフィジー、パプアニューギニアなどの太平洋諸国を経済的に掌握しようとしていることを座視しない意思を示した格好だ。
オーストラリアの首相による日本軍美化発言を受け、中国の新華社は「とんでもない発言だ。アボット首相は日本を世界の一等市民だと表現したが、安倍首相がなぜ靖国神社参拝を続けるのか説明しなかった」と伝えた。