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【大リーグ】

ダルビッシュ「中4日短すぎ」 肘故障メジャー流に物申す

2014年7月16日 紙面から

 【ミネアポリス穐村賢】メジャー流に物申す! ダルビッシュ有投手(27)が肘の故障者が続出する大リーグの現状に警鐘を鳴らした。15日(日本時間16日)、当地で行われる第85回オールスターの前日会見に出席。運動生理学にも精通する右腕は、中4日の先発ローテーションや滑りやすい公式球、偏った筋肉トレーニングが故障の原因と断じた。ヤンキース・田中将大投手(25)の右肘靱帯(じんたい)部分断裂で、あらためて注目が集まっているメジャーの投手事情。ダルビッシュの熱い提言が球界に一石を投じそうだ。

 終始、柔和な表情だったダルビッシュの目が鋭さを増した。球宴恒例の前日会見。話題が肘の故障に及ぶと、普段はクールな男が黙っていられなかった。

 「これだけトミー・ジョン(手術)が出てるんだから、(球界の)大事な人たちが議論しなきゃいけないでしょう」

 今季、田中将や昨季の新人王フェルナンデス(マーリンズ)らが肘を壊して離脱。日本人に限っても過去に松坂、藤川、和田らがメジャー移籍後に故障した。球数の多さやマウンドの硬さが問題とされるが、運動生理学やトレーニングに精通する“野球オタク”の意見は違う。ダルビッシュが挙げたメジャー特有の原因は次の3つだ。

 (1)中4日 「(中4日は)絶対に短すぎ。球数は関係ない」。先発枠5人のメジャー。だが、短い登板間隔が疲労の回復を妨げる。「140球投げても、中5日以上あれば肘の炎症は全部取れる」と先発枠増を訴える。

 (2)滑りやすい公式球 「ボールが滑る、ちゃんと持たなきゃいけないってことは、ここ(肘)にストレスがかかる」。手触りだけでなく、日本と違って球の形や重さもまちまちなため、より負担が増すという。

 (3)偏った筋トレ メジャーでは投手の筋トレは下半身や背中に集中。だが、「球速は上がるけど、(肘を)プロテクトできない。やるんなら全身、やらないならやらない方がいい」。

 米メディアの一部ではスプリットの多投が田中将の故障を招いたとの見方があるが、これをダルビッシュは「スプリットは肘に負担がかかるとは思わない。(握りが)浅ければツーシームと変わらない」と否定。自身も多彩な変化球を操るだけに「むしろチェンジアップの方が薬指にかかるので関係あるのかなと思う」と独自の感性で指摘した。

 長年の蓄積から今の形となったメジャーの投手管理法。すぐに変えるのは難しいが、現役投手の正直な声は貴重だ。今後、メジャーの常識は変わっていくのか。少なくとも、議論の余地があるのは間違いない。

 

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