傘下に甲子園常連校の大阪桐蔭高校を抱える関西の中堅私学、学校法人・大阪産業大学は、ガバナンスの強化と改善のために、元検事総長で顧問弁護士の土肥孝治氏を7月4日付で新理事長に選出した。前任者である土橋邦芳氏(元クボタ社長・会長)は退任した。トップ交代の背景には5年以上も続く同大学の内紛がある。
大阪府警「天下り」事務局長めぐる内紛劇
すでに本コラムで筆者は、2010年9月10日、11年9月8日、12年7月12日の3回、大阪産業大の内紛やそれに伴うトラブルについて記事を書いている。その内容は、資産運用を失敗して約12億円という多額の損失を出したことが発覚した2009年頃から、教育そっちのけで権力闘争が行われ、守旧派が権謀術数を使って改革派を追い出すような話であった。
挙句には、学生から入学前に約束した通りの講義を実施するように訴訟を起こされたりもしている。さらに、権力闘争の余波を受ける形で、この1年間に研究・教育現場のトップである学長が2人も任期途中で辞職している。
直近の内紛で深刻だったのは、法人トップの土橋氏と№2である重里政司・常務理事事務局長の激しい対立だった。法人運営の実務は事務局長が取り仕切っていたが、「増長した重里氏が独断で後輩の警察OBを職員に採用し始め、『俺が理事長代行だ』と言って土橋氏をないがしろにするようになったため、関係が悪化した」(法人関係者)。職員の前で激しく口論することもあったという。
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