あっぱれ橋本!神がかりプロ初サヨナラ打「ここにいられてうれしい」
◆巨人4x―3ヤクルト=延長12回=(15日・東京ドーム)
橋本は少し申し訳なさそうに、お立ち台に上った。プロ初となるサヨナラ打。「最後は、(鈴木)尚広さんの足に助けられた。サヨナラの感覚はないです」。照れくさそうに頭をかいた。
だが5月に左太ももを肉離れしてから初めて心の底から笑うことのできた瞬間だった。「ここにいられることがうれしい。また1軍で活躍する姿をイメージしてました」
延長12回2死二塁。バーネットの初球、高めの141キロ直球を強くたたいた。「野手の間を抜ける打球を打とうと思っていました」。少しひっかけたが、打球は一塁・武内のグラブをはじき右翼方向へ。右翼・雄平の送球をかいくぐり、鈴木が神懸かり的なスライディングでサヨナラのホームを滑り抜けた。
2番に起用した原監督は「(打線の)つながりを考えてということ。非常に勝負強さを持っていて、そういうものがしっかり出た」とほめた。
今季は3月28日の阪神との開幕戦(東京D)から中堅のスタメンをつかんだ。だが、5月8日のDeNA戦(同)で右中間フェンス際の打球に無理な体勢で突っ込み、左太ももを負傷した。
「飛び込まない選択肢はなかった。それまで思いっきりやって結果が出た。あそこでいかなかったら僕じゃない」と後悔はしていない。
それでも、弱気になった自分もいた。11日夜、父・直道さん(53)に1軍昇格が決まったことをメールした。すると、すぐに電話で「1打席目で打てなかったら下に落ちると思っておけ」とハッパをかけられた。だが、12日の阪神戦(東京D)の第1打席では父の期待を裏切るようなボテボテの二ゴロ。さらに復帰後3試合で安打はゼロで「もどかしい思いはありました」。
そんな思いを振り切ろうと、この日は練習から重心が手前にあり、操作性に優れる松本哲のバットを使用。「これまでと違うイメージで臨めました」。8回に左前へ復帰後初安打で同点のきっかけをつくると最後は勝利を呼び込む一打を放った。
試合前、3連覇を狙った母校の仙台育英高が、宮城県大会4回戦で敗戦。「僕が頑張らないといけないですね」と元気づけることを誓っていた。その言葉通り、後輩を、そしてチームを救った。(井上 信太郎)