山下奈緒子
2014年7月15日15時44分
キラキラ光る川面に吸い込まれるように、子どもたちはサンダルのまま駆けていく。夏の鴨川にはいくつもの笑顔がはじけていた。
三十数年前、ここで同じように時を過ごした少年は、大人になりTAKUYAと名乗った。2001年に解散したジュディマリのギタリストだ。この川にまつわる記憶を、ある曲に込めている。
実家は鴨川沿いにあった。窓を開けると、川の風景が目に飛び込んできた。「川が身近にあったから、今でも水の音を聞くと落ち着く」
夏になると、川は格好の遊び場になった。「橋よりも楽しい」と、石の上をぽんぽんと飛んで向こう岸に渡った。網でメダカを捕まえた。
少年はやがて中学でギターに出会う。高校入学後はバンド活動に明け暮れた。音楽の道で生きていこうと決意し、「高校で得るものは何もない」と中退。18歳で上京した。早く地元を出て広い世界を見たかった。
22歳になった1993年、ジュディマリはデビュー。95年にはシングル「Over Drive(オーバードライブ)」がヒットチャートを駆け上がった。
人気が急上昇するなか、同年末に発売された3枚目のアルバム「MIRACLE DIVING(ミラクルダイビング)」。ここでのTAKUYAの作詞・作曲による曲が「KYOTO(キョウト)」だった。
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