Updated: Tokyo  2014/07/16 14:03  |  New York  2014/07/16 01:03  |  London  2014/07/16 06:03
 

トレーダーを失職させた3万%の株価急騰-SECにも責任か

Share Google チェック

  7月15日(ブルームバーグ):ウォール街のトレーダー、トム・ラレスカ氏は、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)会社シンク・テクノロジー の株価が3万%近く急騰したことで職を失った。空売りを行っていた同氏は、ショートスクイーズ(踏み上げ)のせいだけでなく、時価総額が60億ドル(約6100億円)を超える前に売買を停止しなかった米証券取引委員会(SEC)にも責任があると指摘した。

バックマン・バックマン・アンド・リードのマーケットメーカーだったラレスカ氏は他のトレーダーと同様、シンクの株価がわずか数セントから2.25ドルに値上がりした先月時点で、何らかの不正が背後にあると確信した。SECが売買を停止し、株価がゼロに向かって下げると考えた同氏は先週、シンク株を6ドル前後の水準で空売りした。シンクは従業員1人のSNS会社で、収入はないと報告していた。

ラレスカ氏は「どこかの会社が背後にいるとしても、株式は価値がないように思われた。私の10年の経験がそれが詐欺だと確信させた。正真正銘のジョークだった」と振り返る。

ところがシンクの株価は下落するどころか翌日には2倍以上に上昇し、空売りしていたマーケットメーカーがポジションを手じまうために慌てて買い戻すショートスクイーズが発生し、株価はさらに値上がりした。

市場に流れる情報の正確さをめぐる懸念と「取引が操作された可能性」に言及し、SECが取引停止に動いたのは2日後のことだった。

ラレスカ氏は対応が遅過ぎたと指摘した上で、「株価が6セントから16ドルに急騰しても、あなた方は全く反応しなかった。言っては悪いが居眠り運転していたのではないか。誰もが分かっていたのに彼らが分かっていなかったはずはない」と語った。

原題:Cynk Trader Says Short Squeeze Cost Job After SEC Lethargy(2)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Zeke Faux zfaux@bloomberg.net;ニューヨーク Jing Cao hcao38@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Peter Eichenbaum peichenbaum@bloomberg.net;Pui-Wing Tam ptam13@bloomberg.netDavid Scheer

更新日時: 2014/07/16 10:32 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。