蔵前勝久
2014年7月16日08時15分
安倍晋三首相は14、15両日に国会で開かれた集団的自衛権などに関する集中審議で、自衛隊が海外で武力を使う機会が増えれば、隊員の生命の危険が増すのではないか、と野党側から繰り返し追及された。しかし、首相が正面から語る場面はなかった。
15日の参院予算委員会。共産党の小池晃氏は「戦後初の戦死者を出すかもしれない。集団的自衛権を命の重さの観点から深く掘り下げなければならない」とただした。しかし、首相は「めったにそういう判断はしないし、そうしなくてもいい状況をつくっていくことに、外交的に全力を尽くしていく」とかわした。
14日の衆院予算委員会集中審議でも、民主党の岡田克也氏が、集団安全保障で自衛隊の後方支援の活動範囲が広がることについて「自衛隊の皆さんのリスクが高まることを認め、総理自らが国民の前で説明すべきだ」と迫ったが、首相は「現に戦闘が行われているところではやらないわけだから、危険はないのは明確だ」と突っぱねた。生活の党の村上史好氏も「戦闘に巻き込まれて自衛隊員が犠牲になる危険性はないのか」と聞いたが、首相は明確に答えなかった。
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