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【コラム 撃戦記】

「押忍」の語源を探る夏

2014年7月16日

 高校時代は野球部だった。あいさつは「こんにちわ」をはしょった「ちわっ!」。退部後、極真空手に入門して「あいさつは“オス!”だよ」と教えられた。「オスは押忍と書く」と習い、意味も知った。4番まで歌詞がある「押忍の二文字」の歌も習って覚えた。

 その“押忍”を拓大の総長に就任した中曽根康弘衆議院議員が壇上で発したあいさつは「押忍!」だった。これには驚かされた。学園闘争は左翼と民族派が対峙(たいじ)。「押忍」は今でも体育会系には硬派の代名詞。語源には諸説あるが戦前、戦中、戦後を通して用いられた。

 先日、拓大OBで極真空手の先輩に30年ぶりに会った。押忍の由来にも精通。江戸時代中期の書物「葉隠れ」との関係を指摘した。

 極真の創始者大山倍達は拓大に在籍。1940年4月に空手2段を授かった。日本の植民地時代に朝鮮から来日。押忍にどんな思いを込めたのかは分からないが、早大にも籍を置いた民族派。時代は変わり“押忍”は今や漫画やアニメにも格好良く描かれる。

 語源のルーツに興味を持った大学の後輩が今、取材と資料集めに奔走している。リポートを楽しみに注目している。 (格闘技評論家)

 

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