ベネッセ漏えい:情報持ち出し常習 SE、数百万円で売却

毎日新聞 2014年07月16日 08時10分(最終更新 07月16日 08時53分)

 通信教育大手ベネッセホールディングス(岡山市)の顧客情報漏えい問題で、顧客データベース(DB)の保守管理にあたっていた外部業者のシステムエンジニア(SE)の男が警視庁の任意聴取に対し、「昨年末から(発覚直前の)今年6月まで顧客情報の持ち出しを繰り返していた。同じ名簿業者に売却し、合計で数百万円を得た」と供述したことが関係者への取材でわかった。男が警視庁に任意提出した記憶媒体から、DBと一致する大量の個人情報が見つかったことも判明。警視庁は不正競争防止法違反容疑での逮捕に向け、詰めの捜査を進めている。

 関係者によると、ベネッセはDBの保守管理をグループ企業の「シンフォーム」(岡山市)に委託し、同社はさらに複数の外部業者に再委託。男はこのうちの一社に派遣社員として勤務し、DBを操作する端末が置かれているシンフォーム東京支社(東京都多摩市)の一室に出入りしていた。

 男は警視庁の任意での事情聴取に対し、ベネッセ側から貸与されたパソコンに顧客情報をダウンロードし、記憶媒体にコピーして持ち出しを繰り返したと供述。同じ名簿業者に売却を続けていたが、同庁の調べに売却先の名簿業者は「ベネッセの顧客情報とは知らなかった」と説明したという。

 これまでの警視庁の調べで、顧客情報の流出先として判明している「パンワールド」(東京都武蔵野市)、「文献社」(福生市)以外にも2〜3社の名簿業者の存在が確認されたといい、警視庁は情報の拡散ルートの解明を進めている。【林奈緒美】

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