痴漢:中学校教諭に逆転無罪 東京高裁

毎日新聞 2014年07月15日 20時17分

 2011年12月に東京都三鷹市内を走行中の路線バス車内で女子高校生に痴漢をしたとして都迷惑防止条例違反に問われた同市立中学校教諭、津山正義被告(30)=起訴休職中=の控訴審判決で、東京高裁は15日、罰金40万円とした1審・東京地裁立川支部判決を破棄し、無罪を言い渡した。河合健司裁判長は「車載カメラの映像などから、被告が痴漢をしたとは考えがたい」と述べた。

 津山教諭は1審から「腹部の前にあったリュックサックが(前方にいた女子高生の)尻に当たったのを勘違いされた」と無罪を主張。1審は「携帯電話を操作していた右手で痴漢は不可能だが、左手なら不可能とまで言えない」として有罪認定をしていた。

 2審では、弁護側が無罪を示す新証拠として車載カメラの映像の鑑定結果を提出。判決は、被害者が痴漢を避けるため体勢を変える直前の35秒間、津山教諭の左手はつり革をつかんでいたと認定し「左手で痴漢したと考えるのは無理があり、被害者が勘違いした疑いが残る」と判断した。

 判決後に記者会見した津山教諭は「痴漢冤罪(えんざい)は誰もが巻き込まれる可能性があり、無実が示されほっとした。支援してくれた生徒たちの前に一日も早く立ちたい」と述べた。東京高検の青沼隆之次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とのコメントを出した。【島田信幸】

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