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集団的自衛権行使容認と「徴兵制」

集団的自衛権行使を容認する閣議決定で、自衛官になる若者が減ってしまうと、今度は「徴兵制」が採用されるのではないかという不安が国民の中に広がっています。

 安倍内閣は、これをさかんに否定しています。たとえば政府が「Q&A」をつくって、憲法18条で、「何人もその意に反する苦役に服させられないと定めているから、徴兵制は憲法上認められません」などと答えています。しかし、憲法9条さえ勝手に解釈変更するような政府・与党です。どうして18条だけ解釈変更しないと言えるでしょうか。何の保障もありません。

 隠すより現れるという言葉のとおり、最近、自民党幹部の本音が次々と明らかになっています。たとえば、自民党の憲法改正推進本部長をしている船田元(はじめ)衆院議員は、7月10日放送の情報番組「モーニングバード!」(テレビ朝日系)のインタビューで、徴兵制についてこう言っています。「理屈で言うとそれは可能性はあると思います」と。

 この番組で、次のような問いがありました。「自民党幹事長の石破茂氏は“徴兵は苦役ではない”と発言している。そういう考えの人が総理になっちゃったら、『苦役じゃないんだから徴兵はなんら現行憲法で問題ない』という解釈だといって、徴兵をするということは論理的にはあり得るんじゃないですか」と。

 これに対して船田氏は、「党内で大反対が起こります」「私は許しません」としながら、「そういう意志があってやろうと思ったらできないことはないと思います」と述べています。

 もともと、自民党幹事長の石破茂氏は「徴兵制は憲法違反ではない」と主張してきた人物です。

 たとえば、2002年5月23日の衆院憲法調査会で「徴兵制は憲法違反だと言ってはばからない人がいますが、そんな議論は世界中どこにもない」と発言しています。

 また、防衛庁長官に就任した後も、自分のホームページで、徴兵制は憲法違反だと「外国政府に言った場合…国家としての正当性が自体が疑われることは必定であり、私はそんな場面を想像しただけで、あまりにも恥ずかしくて日本人であることすらやめたくなる」(2002年10月時点の石破茂氏のホームページより)とのべ、徴兵制は当たり前とする議論を平気で展開していました(小泉親司参議院議員が2002年10月10日、参院外交防衛委員会で追及)。

 集団的自衛権の行使容認には、徴兵制の復活の危険性がつきまとっていることは明らかです。絶対に許すわけにはいきません。この暴走にストップをかけるため、全力をあげようではありませんか。

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