広島平和式典:「集団的自衛権反対」宣言に盛るよう署名
毎日新聞 2014年07月15日 23時06分
広島市の市民グループは15日、8月6日の平和記念式典で松井一実市長が読み上げる平和宣言に、閣議決定された集団的自衛権の行使容認への反対を盛り込むよう求める2479筆の署名を同市に提出した。松井市長は14日、宣言に集団的自衛権を盛り込まない方針を表明したが、「反対せずに日本の平和はあり得ない」と再考を求めている。
平和宣言を巡っては、宣言に盛り込む被爆体験談を選ぶための懇談会(座長・松井市長)が計3回開催された。14日の最終会合で、市側から集団的自衛権などを盛り込む案と盛り込まない案の2案が示され、市長を除く被爆者や有識者ら8人の委員のうち7人が盛り込まない案に賛成したという。
一方、署名活動は、弁護士や被爆者、ジャーナリストらでつくる市民グループ「秘密法廃止!広島ネットワーク」が、行使容認の閣議決定があった翌日の今月2日から始め、電子署名は日本を含めて24カ国・地域から1835筆が集まった。同ネットは今月31日まで署名を集め、再度提出する予定。
同ネット共同代表の山田延広弁護士は「憲法9条の理念を変えるのは、国民にとっても世界にとっても重大な事象だ。平和都市・広島の市長としてきちんと反対を表明していただきたい」と話している。【加藤小夜】