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010Webで圧倒的に可読性を高める句読点「。」「、」の付け方

 
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Webライティングにおいて、句点「。」と読点「、」は、どのように打つべきだろうか?

作文や感想文なら、「文章のリズムを意識して、句読点を付けなさい」と習ったかもしれない。だが、Web上のコンテンツは、作文とは違い、腰を据えてじっくり読まれるケースは少ない。

いかに流し読みに耐えられるか?を考慮して、句読点を打つべきである。具体的には、

  1. 長文を避け、短文を中心に構成する
  2. 文章のリズムではなく、"意味の取りやすさ" を意識する

の2点に留意してほしい。

私たちのライフスタイルは「●●しながら〜」に変化している

句読点のテクニックの本質を理解するために、少しだけ寄り道をしたい。なぜ、現代社会において、スマートフォンが必要とされているのだろうか?

日常的に使っていればわかるとおり、スマートフォンはもはや、携帯電話ではない。通話機能付きミニパソコンだ。コミュニケーションのためと言うより、情報処理のためのデバイスと言える。

情報処理のためのデバイスと考えると、スマートフォンはあまりに不完全な機器だ。画面が小さい(一度に得られる情報量が少ない)し、CPUは貧弱だし、回線は遅いことが多い。ポータブルデバイスでありながら、電池の持ちも最悪レベルだ。

きっと10年後の私たちは、「よくあんな機器で我慢していたものだ」と感慨に浸るだろう。いま私たちは、不完全な機器でも、使わざるを得ない。ライフスタイルを考えれば、使ったほうが便利だからだ。

具体的には、「●●しながら」情報収集をするためである。通勤しながら、ランチを食べながら、就寝前にベッドに寝転びながら。思い当たる節がある方は多いだろう。

この10年・20年で、私たちのライフスタイルは大きく変化し、まとまった時間を確保するのが、どんどん難しくなってきている。テレビ離れ、新聞離れ、(TVに繋げて遊ぶ)家庭用ゲーム機離れなども、根は同じだ。

Webでの読みやすさとは「流し読みしやすいかどうか」である

身も蓋もないが、Web上の文章はまず熟読されない。圧倒的大多数が流し読みされるだけだ。

インターネットには、見たい・読みたいコンテンツが無数にあるばかりでなく、情報収集は「●●しながら」である。私たちには、ゆっくりと記事を読むだけの時間がないのだ。

自社メディアを運営する側、あるいはコンテンツを提供するライター側の視点に立てば、流し読みを前提として、

いかに読みやすくできるか?
いかに効率良く伝えられるか?

を考えるべきなのである。

Webでの読みやすさとは、言い換えれば「流し読みのしやすさ」である。流し読みでもストレスなく読み進められ、意味が取れ、誤読が少ない文章こそが、理想だ。

事実、連載第6回〜9回で紹介してきた、タイトル、書き出し、小見出し、ビジュアルコンテンツの使い方などについてのノウハウは、すべて流し読みを前提としたテクニックとなっている。

①長文を避け、短文を中心に構成する

流し読みに耐えるには、まず短文であるほうが有利だ。これは理屈よりも、事例を見てもらおう。

【例文A】
昨今、Webサイトへのアクセスは、スマートフォンが過半数を占めるケースが増えているのだが、御社のWebサイトやブログはどうか、アクセス解析を必ずチェックしてほしい。
多くの場合、記事の執筆はパソコンで行うので、つい、パソコンの画面で読みやすいようにイメージして書いてしまいがちだが、スマートフォンでの閲覧のほうが多いのなら、スマートフォンを基準にするべきである。
私はおおよそ、一段落100文字以内を目安にしており、長くても120文字程度で、今のところこれが、どんな閲覧環境にも対応できる文字数だと感じている。
【例文B】
昨今、Webサイトへのアクセスは、スマートフォンが過半数を占めるケースが増えた。御社のWebサイトや、ブログはいかがだろうか。アクセス解析を必ずチェックしてほしい。
多くの場合、記事の執筆はパソコンで行う。つい、パソコンの画面で読みやすいようにイメージして書いてしまいがちだ。が、スマートフォンでの閲覧のほうが多いのなら、スマートフォンを基準にするべきである。
私はおおよそ、一段落100文字以内を目安にしている。長くても120文字である。今のところこれが、どんな閲覧環境にも対応できる文字数だと感じている。

見比べれば歴然としているように、句点「。」の少ない長文中心の文章は、パッと見ただけでは意味を取りにくい。誤読すら招きかねない。

同じ内容でも、短文を中心に構成すれば、可読性を向上させられる。

②読点は文章のリズムではなく、"意味の取りやすさ" を最重視して配置する

では、読点「、」はどう付けるべきだろうか。こちらも流し読みでの意味の取りやすさを重視するべきである。

【例文C】
"スマートフォンでの読みやすさ" を基準に改行や空白行を入れて体裁を整えよう。日常的にスマートフォンでブラウジングし、読みやすく感じた記事と読みにくく感じた記事を比較して理由を分析するクセをつけてほしい。
【例文D】
"スマートフォンでの読みやすさ" を基準に、改行や空白行を入れ、体裁を整えよう。日常的にスマートフォンでブラウジングし、読みやすく感じた記事と、読みにくく感じた記事を比較し、理由を分析するクセをつけてほしい。

どちらも、ゆっくりと読めば意味を取るのは難しくないが、流し読みでは、意味の切れ目を意識して読点「、」を多用した、後者のほうが、可読性に優れる。

意味の切れ目を意識して読点を打つと、文章のリズムがおかしくなる印象を受けるかもしれない。

だが、Webライターは文豪の作家先生ではない。流麗な美文を書いても仕方がない。

"流し読み" という読み手のニーズに応えられてこそ、プロフェッショナルと言える。

© MAKEPO

 
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著者情報

ヨリカネケイイチ

寄金佳一

1979年生まれ。横浜市在住。『フューチャーセンターニューズ』編集長、フリーライター、ブロガーとしての活動を中心に、WEBライティング講師や、WEBマーケティング、メディア運営アドバイザーを手がける。

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