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「相関関係ありと言えるのは相関係数が-1か1の時だけ!!」 by 東猴史紘氏

以前、元国会議員秘書が、医療費を窓口で一旦全額支払ってもらうようにすることを提案だと?東猴史紘氏から医療費の件で回答あり → それに対するコメントで取り上げた東猴史紘氏のブログで、また大変興味深い記事がありました。(私が興味深いと書いた場合は、大抵いい意味ではない)

女性の労働参加率と出生率の相関関係は「ない」
該当記事が削除されたようなので、Evernoteに取ってた該当記事のノートを公開します。こちらから削除前の記事の内容を確認できます⇒女性の労働参加率と出生率の相関関係は「ない」 (Evernote保存版)
実際に相関関係があるかないかを判断するには図の右下にあるRの数字を見なくてはならない。

Rは相関係数といい、2乗したR2を寄与率という。一般により正確な相関関係の有無をみるときには寄与率R2が用いられる。おおよその目安は以下である。




では実際に相関係数R=0.55 を2乗した寄与率R2を求めると0.3025 である。この寄与率は目安の中で0<R2<0.5の部類にはいる。つまり、この内閣府の分布図に相関関係は「あるとは言えない」となる。相関関係があるとは言えない以上、内閣府の「正の相関関係を示している」という記述は正くない。
「相関関係あり」は寄与率(相関係数の二乗)=1だけ!!
寄与率が0.5~1の間の時は「相関係数がないとは言えない!!


えっと…
えっと…-1≦相関係数≦1です。
そして相関係数が-1か1の時しか相関ありとは言えないんだそうです。以下は相関係数が0.99の散布図ですが、寄与率=0.99x0.99=0.98ですので、東猴氏はこのグラフは「相関があるとは言えない」と判断するそうです。
r_099

データの恣意性やサンプルサイズの問題ではなく、このグラフでも「相関があるとは言えない」ってのはもはや統計学じゃなくてどこぞの怪しい宗教ですよ。

東猴氏が掲示された寄与率と相関有無判断の表の出展はどこなんでしょうか。まさか民明書房……

普通の統計学や日本語の考え方では、相関係数/寄与率が-1や1の時は完全相関です。
相関の有無は相関係数やサンプルサイズなどから決まる検定の結果で判定されます。そして、その相関がどれほど影響しているかを見るのが寄与率。
ざっくり目安の考え方でも相関係数が±0.2の範囲に収まる場合が「ほとんど相関なし」であって、その外の範囲なら強弱はあれど「相関あり」なんですけれどね…

「相関係数が-1か1の時しか相関係数ありと言わない」という非常にユニークな独自の世界でもって、通常の世界を生きている人たちの相関関係に対して口出ししてほしくはないものです。

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