≫あなたのブログに福井のニュース
アニメの集客力 連携、活用し地域盛り上げ
(2014年7月14日午前7時25分)
先月、あわら市で開かれた市ゆかりの漫画にちなんだイベント「ちはやふるweek in あわら」に、全国から若い世代を中心に大勢訪れ“アニメの集客力”を示した。今月から、坂井市三国町を主な舞台モデルにしたテレビアニメの放映も始まった。当地ゆかりのアニメも誘客の策として活用を探り、地域盛り上げにつなげたい。
「ちはやふるweek―」の16日間、市内では主要声優陣のトークショーや作品に登場するスポットを回るツアー、全国かるた競技福井大会などが催され、複製原画や絵コンテを集めた「ちはやふるギャラリー」が開設された。期間中、北海道から沖縄まで全国から、延べ約2万5千人が同市を訪れ、交通機関利用や温泉旅館の宿泊と少なからず地元にも貢献した。
市内50カ所で配布した全100種の限定百人一首カードは特に人気を集め、当初用意した3万枚はハイペースではけ、6万枚に増やしても足りず、終了後も問い合わせが続いた。
期間中、市内では作品に登場する場所や限定カードの配布先を訪ね歩くファンの姿が多数見られた。二度三度と足を運んだ人、中には手土産持参で配布先の商店を再訪するなど地元住民との触れ合いもあり、誘客や地域に活気を与えた点で成果を上げたと言えよう。
市は「ちはやふるギャラリー」の営業を年度末まで延長。来年度も関連企画を予定している。題材の強さ、企画内容で誘客、再訪につながることは実証された。訪れる側の印象、受け入れる側の反応や対応はどうだったか。関わった人の声は今後の進め方のヒントになるはずだ。良い点、苦情、課題などを分析し次回に生かしたい。来訪を機に新たな魅力を提案する能動的な働き掛けも求められる。
一方、先ごろ放映が始まったテレビアニメ「グラスリップ」は、坂井市三国町が主な舞台モデル。具体名は出てこないが、第1話にも花火大会や電車、町並みなど「見たことのある」絵面が随所に登場した。
同作を手掛けたアニメ映像制作会社がこれまでに富山、石川両県の町を舞台モデルに送り出したアニメは人気を集め、地域おこしにもつながっている。金沢市湯涌(ゆわく)温泉では作中の祭りを再現、昨年は約1万人を呼び込んだ。地元の観光協会幹部は「小さな温泉町を知ってもらうきっかけになった。アニメが人を動かす力を体感した」と話した。
坂井市とアニメ制作サイドは、観光ポスターなどで連携を進めている。アニメの放映は始まったばかりだが、誘客の可能性を秘めている。アニメファンの心理もくみながら、関心と人を呼び込む題材として新たな展開を期待したい。
