総務省は、定期的にワイヤレス機器が違法電波を出していないかチェックしています。7月15日、2013年度の試買テスト結果を公表し、実際に購入してテストした100機種200台のうち8割を超える、84機種が基準を超える電波を出していたことを報告しました。
微弱な電波を出す機器は無線免許不要で使えますが、今回のテストで公表されたモデルはこの微弱な電波を出す機器として販売しているにもかかわらず、基準値を超えて強い電波を出す機器です。総務省では、それらの利用者が電波法違反に問われる場合や、他の通信との混信や妨害を引き起こす場合があると指摘しています。
目には見えないものの電波は有限です。公共性が高いものですから国内では逓信省、運輸通信省、電気通信省と中央官庁が所管し、現在では総務省が周波数の割り当てを行っています。他の先進国でも基本的には同じで、周波数のオークション制を導入している国であっても、どの周波数帯でオークションを行うのかを決めるのは政府機関です。
今回の調査では、100機種200台(1機種2台ずつ)のワイヤレス製品を総務省が購入した上でテストし、このうち2台とも「微弱」を超える電波を出した機器は100機種中84機種に上りました。製品毎の内訳は以下の通り。
製品 | 基準値外/テスト数 |
FMトランスミッター | 46/62 |
ワイヤレスカメラ | 16/16 |
携帯ジャマー | 7/7 |
ワイヤレスマイク | 7/7 |
トランシーバー | 3/3 |
ワイヤレススピーカー | 3/3 |
ベビーモニタ | 2/2 |
なお、総務省が2012年に公表した報告書では、主にFMトランスミッターや海外製のベビーモニターを問題視する内容となっています。一方、メーカーからはFMトランスミッターなどアナログ波を飛ばす機器は、基準値内で製造しても製品個体差が出やすく歩留まりが悪いといった声もあるようです。TELEC(テレコムエンジニアリングセンター)などの認証機関では、本来認証が必要ないはずの微弱電波についても性能証明試験などを行っています。
総務省が指摘する通り、免許が必要な電波を無免許で出せば電波法違反に問われる場合があります。なお、先日開催したEngadget Fesでは技適についてのセッションを開催し、電波法に関して総務省に聞いています。