国際中国軍最高幹部の党籍剥奪、「浄化」と「闘争」2つの意味+(1/2ページ)(2014.7.15 15:30

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中国軍最高幹部の党籍剥奪、「浄化」と「闘争」2つの意味

2014.7.15 15:30 (1/2ページ)アジア・オセアニア

 中国国営新華社通信によると、6月30日に中国軍最高指導機関である中央軍事委員会の前副主席である徐才厚氏が収賄などの違法行為で党籍剥奪の処分を受け、検察機関で刑事責任が問われている。徐才厚氏の最終階級は大将にあたる上将だった。かねて軍上層部の汚職腐敗が問題になっていたが、中国共産党中央政治局員に任じられた軍最高幹部までが摘発された事件は衝撃的であった。

 これまで人民解放軍は、革命の功労者とされ、共産党政権を支える「党の柱石」として不可侵的な存在であった。その軍高官が汚職事件で処断されたのには2つの観測がある。一つは精強であるべき軍の上層部の浄化だ。総後勤部副部長で中将だった谷俊山氏の巨額収賄事件もすでに発覚しており、軍内での反腐敗運動であると考えられる。

 もう一つは、習近平国家主席選出にまつわる権力闘争説だ。党中央政治局員で重慶市党委員会書記だった薄煕来氏の失脚事件があり、一連の党幹部摘発が続く中で、徐才厚氏の事件もその一環との見方である。その延長には周永康・前党中央政治局常務委員にまで司直の手が伸びることが視野に入ってくる。

 ここでは前者の見方に焦点を絞って実態を紹介してみたい。軍人の汚職事件にはポスト売買の人事汚職と、軍需産業や地方権力との権力・金銭取引による癒着汚職があるが、徐才厚氏は職権乱用による昇任人事が絡む収賄容疑で、昨春から内偵が続いていたとみられる。解放軍内では昇任とポスト売買の常態化がいわれている。

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