集団的自衛権:集中審議の国会 周辺で市民ら反対集会

毎日新聞 2014年07月14日 11時32分(最終更新 07月14日 11時40分)

集団的自衛権行使を認めた閣議決定の撤回を求め、衆院第2議員会館の前で声を上げる人たち=東京・永田町で2014年7月14日午前9時20分、丸山博撮影
集団的自衛権行使を認めた閣議決定の撤回を求め、衆院第2議員会館の前で声を上げる人たち=東京・永田町で2014年7月14日午前9時20分、丸山博撮影

 集団的自衛権についての集中審議が衆院予算委員会でスタートした14日朝、東京・永田町の国会周辺では市民団体による抗議集会が始まった。強い日差しの中、集まった市民は拳を振り上げ、国会議事堂に向かって集団的自衛権の行使を認めた閣議決定の撤回を訴えた。市民団体は参院予算委員会の集中審議が行われる15日も集会を開き、市民の怒りを国会にぶつける。

 ノーベル賞作家の大江健三郎さんらが呼びかけて結成した「戦争をさせない1000人委員会」と、「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」は午前9時から衆院第2議員会館前で座り込み。1000人委員会の高田健事務局次長は約40人を前に、「安倍(晋三)首相は国内で『閣議決定の後もこれまでと何ら変わりない』と言いながら、海外に行くと『歴史的な意義のある変化』を強調し、二枚舌だ。集中審議も2日間だけであまりにもひどい」と怒った。

 抗議集会に参加するため米ニューヨークから里帰りした米ウェスリアン大教員、尾竹永子さん(62)は「米国は戦争ばかりやっていて、他の国に肩代わりさせたがっている。向こうに住んでいるから分かる。憲法を閣議で勝手に変更するなんて民主主義の根幹から考えておかしい」と力を込めた。

 東京都渋谷区の牧師の中島純さん(26)は「集団的自衛権に反対することは宗教者としての務め。日本を戦争できる国にしたくないし、日本人に人を殺させないようにしなければならない。安倍首相と話し合う場がほしい」と語った。

 千葉県船橋市の元高校教諭、村山恵美子さん(60)は「勝手に憲法を変える安倍さんを信用できない。すぐに退陣させなければならない」。東京都大田区の元団体職員、石河(いしこ)康国さん(69)は13日に投開票された滋賀県知事選で自民、公明の推薦候補が落選したことについて「(集団的自衛権の行使容認に嫌気が差した)公明支持者の足並みが乱れたのが原因ではないか」と話した。【野島康祐】

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