とにかく死ぬのヤだもんね [ことばの元気学]
むかし、「広告批評」の編集長をしていたころ、日本の代表的な広告制作者の人たちに、「反戦広告をつくってみてください」とお願いしたことがあります。これは、そのときにつくってもらった十数点の中のひとつです。(広告批評1982年6月号所収)
コピーは糸井重里さん、デザインは浅葉克己さん。26年後のいま見ても、ちっとも古く感じないところがすごい。それどころか、憲法(9条)改定が大きな問題になっているいまこそ、こういう広告がモノを言うんじゃないかという気がします。
それにしても、こういう広告をつくるのはむずかしい。これにくらべたら、戦争を進める広告をつくるのは簡単です。恐怖心や敵愾心を煽ればいいんですから。「戦争を売るのはやさしいが、平和を売るのはむずかしい」と、亡くなった哲学者の久野収さんも、よく言っていました。
ところで、糸井さんはこのとき、もうひとつキャッチコピーを書いてくれました。
「とにかく死ぬのヤだもんね。」
というんです。
「まず、総理から前線へ。」もいいし、そのほうが多くの人に届きやすいとは思いますが、ぼくはどっちかと言うと、「とにかく死ぬのヤだもんね。」のほうが好きです。
もっとも、人はそれぞれで、当時このコピーを見た社会党のある人は、こう言いました。
「面白いけど、“とにかく”というのにひっかかりますね。これだと、病気で死ぬのも交通事故で死ぬのも含まれちゃう。やっぱり、“戦争で死ぬのはいやだ”と、はっきり限定すべきでしょう」
人はそれぞれとは言え、これには驚きましたね。とかく政治家には、頭がいいのに、表現というものがわからない人が多い。このコピーのいいところは、「とにかく」という一語にあるんですね。「病気や交通事故で死ぬのはいいけど、戦争で死ぬのはいやだ」なんて、フツーの人は死因を分けてなんか考えない。分けて考えるのはリクツってもんでしょう。とにかく、死ぬのはヤなんです。当然、「戦争」で死ぬのもその中に含まれる。それでいいじゃないですか。だいたい、反戦で頭がいっぱいになっている人には、こういう広告は必要ない。こういう広告を見てほしいのは、フツーの人たちなんですから。
それに、この広告は、病院や警察が出すわけじゃありません。反戦を訴える市民団体みたいなところが出すわけですから、戦争で死ぬのはヤだと言ってるくらい、誰にだってわかる。それなのに、コチコチの頭でリクツをこねる人がいるんです。そういう人って、とにかくヤだもんね。
天野さん、おばんです。
「とにかくヤだ」なんて、心の根底から”そのまんま”掘り起こし
た様な言葉ですから、反戦コピーとして、私も大変共感出来ま
す。その反面、心よりも言葉が先行しちゃってるんぢゃないか?
みたいな人は、私もヤだもんね~、です。
「気持ちの乗っている言葉」は、心に響く。そんな言葉だからこ
そ、元気も与えてくれますよね。頭の中では割り切れない様な
感情を、活きた言葉で表現出来る人、すっごくかっこいいです。
あと、コピーには各地方の方言を、って最近特に感じます。
by トーヤ (2008-01-14 02:00)
政治家って頭いいですかぁ~?
「私の友人の友人がアルカイダ・・」も表現というものがわからなかった
のでしょうか(@ ̄□ ̄@;)!!
あのお方・・友人の友人からテロがあるから近づかない方がいいと言われたみたいだけど「とにかく死ぬのヤだもんね。」で逃げたのかしらん?
戦争になったらマイケルムーアが言ってたように、総理の息子から前線に行かせて政治家の息子さんは全員前線に行く!ってことにしなきゃ~!です。
コチコチの頭でリクツをこねる人の頭の中を開いて親分が脳みそをこねてあげまっせ~!
でもこのポスター、今こそ必要ですよね!
しかし・・・“とにかく”というのにひっかかるコチコチの人、ヤだ・・・
by スティッチの親分 (2008-01-14 07:24)
「まず、総理から前線へ」の広告、徴兵制を口にする政治系タレントたちの事務所にも貼りたいです。
反戦の話題とちょっとそれますが、「とにかく死ぬのヤだもんね。」というコピーが届かない人たちが増えているのではないかと感じます。
ネットで出会って一緒に自殺、死刑を望む殺人犯。最近も、佐世保で凄惨な事件が起きたばかりです。「とにかく死ねば終わるもんね。」というような発想がじわじわと広がっているようで、呼応するように、社会が好戦的な方向へ動き出しているように感じます。
by rio (2008-01-14 18:05)
「まず総理から前線へ」切れがあっていいですねぇ。
でもどこかのノー天気な総理なんかは「あ、そう、前線に激励に行けって意味ね」なんて言いそうですね。そうじゃないって、銃を持って自分で行けって言ってるの。
「とにかく総理はもうヤだもんね」って辞めちゃいましたが…
by gillman (2008-01-14 21:22)
いいですね~。このコピー。
両方とも、政治家先生に送りつけたいですね。
、とにかく・・・のセンスも解らないような方が政治家なんですから、きわめて、「頭は悪いというか、事実さえ飲み込めない方たち」なのですよ~。
それに・・・モデルになった自衛官さん、もちろん、本物ではないでしょうが・・・本物諸君も誰ひとり、死にたい若者なんて、居ませんし・・・それ以前に戦えるだけの体力、戦意を持った若者も居るはずがありません。みな、生活の手段として、就職できない若者が入隊している事実、それは動かしがたい事実です。
by ハイジママ (2008-01-16 16:20)
一目見て、最近の広告だろうと勘繰ったのですが、それがそんなに前の広告だとは・・・
最近(?)も新聞の一面広告で『安倍さん、 本当に憲法 変えちゃう気ですか。』というコピーと共に爆笑問題の太田光さんが腕組みして立っているというものがありました。普段の話し言葉で、よく聞くものがコピーとして目に飛び込んでくると、すぐに耳元で音声として聞こえてくるような錯覚を受けます。このコピーも、太田さんが「~しちゃう気ですか。」という語尾をよく言うので聞こえてきそうです。「とにかく死ぬのヤだもんね」というコピーも、親戚のおじさんが世間話で言いそうで、近親感を感じてしまいます。その分、記憶に残るようです。
by 発電藷 (2008-01-17 18:09)
「トーヤ」さん。
たしかに、このポスターのキャッチコピーを、貼り出す地域によって、その土地の方言にしたらいいですね。
「スティッチの親分」さん。
戦争がはじまったら、政治家の息子さんは最前線へ優先的に行けるようにする。いいなあ。小泉さんの息子さんなんか、軍服が似合いそう。
「rio」さん。
最近の殺伐とした世相を見ていると、いまや日本は戦場になってしまったみたいで。かなしいです。
「gilman」さん。
改憲なんて、「そんなのかんけーねえ!」と言ってくれるような若者が多いんならいいんですけどね。
「ハイジママ」さん。
いま自衛隊にいる人たちは、第9条のもとで入隊したわけで、9条が変わったら除隊するんじゃないでしょうか。とにかく死ぬのヤですから。
「発電藷」さん。
話し言葉はよく届く。もともと言葉は音ですからね。書き言葉にも音をとりもどさなくっちゃ。
by あまの (2008-01-17 21:22)
はじめまして
天野さんのブログがあったなんて大感激です
コピーって面白いですね
俳句に通じるところがあるようにも思いました
わかりやすくてすっきりしたのって
こころにグサっと来るんですね!
by 麿 (2008-01-17 23:11)
「麿」さん。
ようこそ。コピーって、たしかに俳句や川柳に通じるものがありますね。
「このような末世を桜だらけかな」。一茶の句です。
by あまの (2008-01-18 10:37)
天野さん、はじめまして
この広告、26年前のものとは思えないですね
今の時代にあっても、おかしくない
ボクも「とにかく死ぬのヤだもんね。」の方が
見る側に、考える余地を残していていいと思いますね
その為の「とにかく」なんじゃないでしょうか
なんでもかんでも、リクツっぽいのは、勘弁です
by ば (2008-01-19 16:53)
人はいずれ死ぬものですが。
今はそんなことは考えたくないですよね。
ある評論家は死についていろいろな提言してる人も多いようですが。
そういうことをしてむなしいとは思わないのでしょうか。
戦争や原発事故などで死にたくないですよね。
第2次世界大戦、太平洋戦争、チェルノブイリ、米英イラク攻撃
ソ連ノアフガニスタン侵攻、ベトナム戦争、イランイラク戦争などで
多くの死者、後遺症が出ているのですから。
この教訓生かして戦争起越さないようにしていくことを祈りたいものです。
出来れば憲法9条改正などで多くの国民の混乱をきたさないようにしてほしいものですが。
このコピーはそういうメッセージを伝えていることを信じたいものです。
by 梅吉 (2008-01-24 11:43)
はじめまして!
多感な年代で広告批評&80年代サブカルに
頭の先からつま先まで浸かったニンゲンです。
広告批評で 忘れられないのが
<戦争の顔> でした。
傷ついた兵士(市民?)たちの顔。
目をそむけることも出来ませんでした。
くちばしの黄色かった私は あの特集で戦争を体感しました。
どんなにひどいものかを知りました。
あの号、再販出来ないでしょうか?
今こそ、広く読まれてほしいです(願)。
by ちろ (2010-11-15 19:54)
自衛隊のハイテク武器は、素人では使いこなせませんよ。
徴兵制なんて、かえって足手まといになるだけ。徴兵制なんてデマだと片山さつき先生ははっきり名言しておられます。
https://twitter.com/katayama_s/status/279607803197419520
わかってませんね。
by これだから素人は (2012-12-19 20:50)
予備海上自衛官です。
確かに死ぬのはイヤですが、みんながイヤイヤばかりでは、どうにもならない時があります。
だから、私たち(自衛隊)がいるのです。
そう思って銃を手に取る人間がいることを、知っていただけましたら幸いです。
ご参考までに。
by 角田晶生 (2012-12-19 20:57)
ピースボートは自衛隊がお嫌いのようですが、護衛をお願いした
以下ウィキ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%88#.E6.B5.B7.E8.B3.8A.E5.AF.BE.E7.AD.96.E3.81.A7.E3.81.AE.E6.B5.B7.E4.B8.8A.E8.87.AA.E8.A1.9B.E9.9A.8A.E6.B4.BE.E9.81.A3.E5.95.8F.E9.A1.8C
※上記ウィキのページの真ん中あたり見てください
彼らは「自衛隊さん助けて!」とお願いしました
皆さんご存知だと思います
自衛隊が無い世の中が理想ならば危険でも(アデン湾です)自衛隊は居ないと思って護衛頼まなければいい
恥を知れ と私は言いたい
私は家族が危険に晒される事態になったならば、命をかけて守る覚悟があります。
同様に自衛隊の皆さんもそうなんです。
皆さん、自衛隊をお嫌いのようですが、彼らの高い志をご理解ください。
家族のために、郷土のために、そして国家のために、、、
命を懸けて守ろうと思う。その気持ちって「きな臭い」のでしょうか。
是非ご一考いただければと思います
場違いのコメントご容赦ください
私は非難する意図で書き込んだのではありません
by フラダンスの犬 (2012-12-19 21:10)
変な話ですが、実際に軍備拡大路線を続けており、他国の領土を平気で侵犯し、元首が「強国・強軍」を宣言しているお隣の国にこそ、こういうポスターがあるべきだと思います。
『まず、主席閣下から前線へ。』
by ヤマトオグナ (2013-01-03 14:52)
私は親父を戦争で殺されました。
by 永島 健一 (2013-05-03 17:08)
とりあえず、平和運動家を気取っている人らから、総理より自衛隊より先に前線へ。遠慮はいりません。日本の平和を守って来て下さい。今すぐ尖閣へ!
そして、55年体制の下、日本は平和を守って来ました。それすら否定するなら、どうぞ平和運動家の方々にお願いしたい、その崇高な理念で、あなた方から最前線へ。
by 頑張れ日本 (2013-07-19 23:06)
頑張れ日本 (2013-07-19 23:06) さん
あんた、何を言ってるの?あんたが最初に死ぬんだよ。
戦争をしたい人間が怖がって逃げ回ってどうする?
戦争とは、お国のために死ぬことだよ。
戦争をしたい人間が率先して戦争をしに行けと言ってるのだよ。
結局、あんたも戦争で死ぬのがこわいんじゃないか?
戦争とは、お国のために死ぬことだよ。
すぐに、総理、自民党、官僚と、戦争を始めようとしている人と一緒に、戦場へ行ってお国のために死んできてください。
各国のトップが、東京ドームのような競技場へ集まって、ホームアンドアウエーで、殺し合いすれば良いんじゃないのか?
昔は、武田信玄や、上杉謙信がトップ同士で、斬り殺しあったんだよ。
今も、その方式を取れば良いんじゃないか?
by かみつきがめ (2013-10-27 21:41)
角田晶生さん、フラダンスの犬さん
自分を守る戦争を否定してる人間なんてだれもいないのですよ。
普段の生活だって、自分の身は自分で守るのが常識だ。
正当防衛は、日本国民の権利である。
危険と思えば、相手が誰であっても、躊躇せず、執行すればよい。
それこそ、毎日を、死ぬ覚悟で生きているのだ。
人の金儲けのための戦争に行く馬鹿はいないということだよ。
by タイガーヘッドシャーク (2013-10-27 21:53)