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原発のがれき撤去で水田汚染か
7月14日 17時08分

原発のがれき撤去で水田汚染か
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東京電力福島第一原子力発電所で去年8月に行われたがれきの撤去作業で放射性物質が飛散し、20キロ余り離れた福島県南相馬市の一部の水田を汚染したおそれがあるとして、農林水産省が東京電力に対策を求めていたことが分かりました。

福島県が行っているコメの検査で、去年、福島第一原発から北に20キロ余り離れた南相馬市の14か所で収穫されたコメから国の基準の1キログラム当たり100ベクレルを超える放射性セシウムが検出されていました。
基準を超えたコメは流通しないよう処分されましたが、農林水産省は、セシウムが穂の外側に付着していて外部から飛ばされてきたと考えられることや周辺のモニタリングポストのデータなどから、原因の1つとして去年8月に福島第一原発3号機で行われたがれきの撤去作業で放射性物質が飛び、風で運ばれたおそれがあるとして、東京電力に対策を求めたということです。
指摘を受けた東京電力は、がれきの撤去の際、粉じんの飛散を抑える薬剤の散布や飛散状況の監視を強化すると説明したということです。
しかし、農林水産省と東京電力は原発での作業が影響しているおそれがあることを南相馬市に伝えておらず、南相馬市は「非常に驚いている。東京電力にがれきの処理のしかたについて要請しているのであれば地元にもっと早い段階で説明があるべきだ」としています。
農林水産省は「ほかにも周辺の土や森林などに積もっていたものが飛ばされてきた可能性が考えられ、原因を特定したうえで説明するつもりだった」としています。
福島第一原発では1号機で大がかりながれきの撤去を行うため、放射性物質の飛散を防ぐために設置されたカバーを解体する工事が予定されていて、十分な対策と説明を求める声が上がっています。
この問題で東京電力は、「一部のコメから国の基準を超える放射性物質が検出されたことと、福島第一原発でのがれきの撤去作業の因果関係は分からないので説明してこなかったが、そのようなことが起こらないように取っている対策や現状について説明していきたい」と話しています。

放射性物質基準超で農家は

一部のコメから国の基準を超える放射性物質が検出されたことを巡り、福島第一原発でのがれきの撤去作業の影響が指摘されたことについて、福島県南相馬市のコメ農家からは「なぜもっと早く農家に伝わらないのか」などと疑問の声が上がりました。
南相馬市で50年余りにわたってコメ作りを続けてきた小澤徳夫さん(76)は「放射性物質が飛んでいるならもっと早いうちから分かっていたはずだ。こういう危ない話は、われわれ農家に伝わるのが遅いので今後は早く情報を回してもらいたい」と話していました。
同じ南相馬市の村上靖一さん(72)は「こっちまで風で飛んでくるとは思わず、びっくりした。4年も水田を休んだので、来年からは作付けと考えていたが、こんなことがたびたびあればやる気もなくなる。今後は放射性物質が飛ばないよう気をつけて作業してもらいたい」と話していました。

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