西山貴章
2014年7月14日20時13分
1972年の沖縄返還で日米両政府が交わした「密約」文書の開示を元新聞記者らが求めた情報公開訴訟で、最高裁第二小法廷(千葉勝美裁判長)は14日、原告側の上告を退ける判決を言い渡した。国に開示を命じなかった二審の東京高裁判決が確定した。一、二審判決は密約文書がかつて存在したことは認め、最高裁もこの判断は維持した。
訴えていたのは、米国側の密約文書を見つけた我部政明・琉球大教授や元毎日新聞記者の西山太吉さんら23人。問題となった文書は、沖縄返還で日本側が日米間の協定で決めた金額よりも多い財政負担をすることや、米軍用地の原状回復費を肩代わりすることなどを記したもの。一審・東京地裁は文書の開示を国に命じたが、二審は「探したがない」との国の主張を認めて一審判断を取り消した。
最高裁は判決で、「行政機関が存在していないとした文書の開示を求める場合は、請求した側が文書の存在を立証する責任がある」との判断を初めて示した。その上で今回の密約文書について「(日米)交渉の過程で作成されたとしても、不開示決定の段階で国が文書を保有していたと認めるには不十分だ」とし、原告側の請求を退けた。
この点について一、二審判決は「請求者側が過去のある時点で文書が存在したことを証明した後は、それが存在しないことの証明は行政側がしなければならない」としており、この日の最高裁判決で情報公開のハードルは高くなった形だ。(西山貴章)
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菅義偉官房長官は14日の記者会見で、破棄された可能性のある文書の再調査について、「考えていない」と否定した。今後の文書管理のあり方については、「公文書管理法を踏まえ、国民が重要な歴史事実を検証できるよう、適切な行政文書ファイルの保存管理を詰めていきたい」と述べた。
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