衆院予算委:首相「各国並みの集団的自衛権行使は困難」
毎日新聞 2014年07月14日 11時49分(最終更新 07月14日 13時19分)
衆院予算委員会は14日午前、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して外交・安全保障政策についての集中審議を行った。首相は、集団的自衛権行使の範囲に関し「憲法9条の解釈に関する従来の政府見解の基本的な論理を超えて、武力行使が認められるとする解釈を現憲法の下で採用するのは困難だ。その場合には憲法改正が必要と考える」と述べ、世界各国と同様に行使を容認するには憲法改正が必要との認識を示した。
首相は憲法上許される武力の行使を「国民の権利が根底から覆される明白な危険」がある場合などとした武力行使の「新3要件」を満たす事例について「攻撃国の言動などから、武力攻撃を早急に止めなければ、我が国にも武力攻撃が行われる状況」と指摘。その上で「我が国に戦禍が及ぶ蓋然性(がいぜんせい)、国民が被ることとなる犠牲の深刻性や重大性から判断する」と述べた。
政府が今月1日に集団的自衛権行使容認の閣議決定を行ってから初めての国会論戦。中東・ホルムズ海峡での機雷掃海活動について、首相は「海峡を経由する石油供給が回復しないと死活的な影響が生じる」として「新3要件」を満たせば可能になるとの認識を示した。
一方、首相は今年11月に中国・北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせ、中国の習近平国家主席との会談を目指す意向を改めて示した。その上で「対話のドアは常にオープンだ。中国にも同じ対応をしてもらいたい」と述べた。自民党の高村正彦、公明党の北側一雄、民主党の海江田万里各氏への答弁。【影山哲也、青木純】