小川詩織
2014年7月14日15時54分
福井市西二ツ屋の旅館「白浜荘」の名物女将(おかみ)、板倉美津子さん(64)を、常連客は親しみと尊敬を込めて「ムキムキみっちゃん」と呼ぶ。宿泊客の部屋に出向き、目の前でズワイガニの殻の「速むき」を披露してくれる。客は技に舌を巻き、料理に舌鼓を打つ。
1匹のカニをむくのにかかる時間は約1分。コツは「関節をうまく使って割ること」というが、見ていても速すぎてわからない。
近くの和布(めら)漁港で生まれ育った。冬の間の夕食のおかずはカニばかりで、自然とカニの殻むきが得意になった。1983年、小学生のころからの夢だった旅館を夫と開いた。
宿泊客が殻をうまくむけずに食べ残すのを「もったいない」と思い、軽妙なトークを交えながら客のためにむくようになった。ぎっしり詰まったカニ身をきれいに食べられると好評で、テレビ番組や客のブログなどで知った客が全国からやってくる。みっちゃんは「『カニだけでおなかいっぱいになった』と言われるのが何よりのほめ言葉」と話す。
11月の解禁から3月までは越前ガニを、他の期間は北海道産などのカニを楽しめる。(小川詩織)
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