ベネッセ情報漏えい:任意聴取に外部業者SEが関与認める
毎日新聞 2014年07月14日 13時31分(最終更新 07月14日 15時35分)
通信教育大手ベネッセホールディングス(岡山市)の顧客情報漏えい問題で、顧客情報を持ち出したとされる外部業者のシステムエンジニア(SE)の男性が警視庁の任意の事情聴取に対し、関与を認める供述をしていることが関係者への取材でわかった。同庁は男性の勤務状況と、顧客データベース(DB)から情報がダウンロードされた履歴の照合など詰めの捜査を進めており、近く不正競争防止法違反(営業秘密の複製・開示)の疑いで強制捜査に乗り出すとみられる。
関係者によると、男性はDBの保守管理をしていたベネッセのグループ企業「シンフォーム」(岡山市)から業務を再委託された外部業者に派遣社員として勤務。DBに接続できる端末が置かれている東京都多摩市のシンフォーム東京支社に出入りしていた。
男性には業務上、DBへのアクセス権限があり、昨年末、男性のIDでログインし、複数回にわたり顧客情報がダウンロードされた履歴が残っていたとされる。
このため、警視庁が男性から任意で事情を聴いたところ、漏えいへの関与を認める供述をしたという。業務を装い、ベネッセ側から貸与されたパソコンにダウンロードし、USBメモリーなどの記憶媒体にコピーして持ち出したとみられ、名簿業者に流出した経緯などについても詳しく調べる。
ベネッセによると、漏えいしたのは同社の通信教育講座「進研ゼミ」などを利用する子供や保護者の名前、住所、電話番号など約760万件で、最大で約2070万件に上る可能性がある。【林奈緒美】