では、予選グループリーグ終了までに工事が終わるのかと思いきや、日程を確認すると、ナタールでは決勝トーナメントの試合が行われません。現地の人に聞いても、苦笑いするばかりで半分お手上げといった感じです。
道路の整備ですら、そういう状況なのでスタジアム近隣にも店があまり開業できていません。ようやくスタジアムの中で、FIFAの公認グッズを売っている店舗を見つけ、私もお土産を買おうと中に入ってみると、今度は観戦に来たお客さんたちがレジの前で長蛇の列を成したままの状態です。
混雑の原因を探ると、日本のスーパーやコンビニのように繁忙時に空いているレジに店員がさっと入って、お客さんをテキパキとさばくような対応が取れていない。それどころかバーコードのスキャニングやレジを打つスキルも習熟していないようでした。まず日本ではあり得ない光景です。
トイレ不足で不便でも
楽しく観られればいい!?
現地で一番面白かったのは、スタジアムの構造です。
ナタールとマラカナンに入りましたが、スタンドとフィールドが予想していたよりも接近していました。ナタールでは、私が座った「砂かぶり席」からは、それこそライン際にいる選手たちが目の前を駆けていて、長友選手の表情がはっきり分かりました。
ブラジルでは、しばしばサポーター同士の衝突があると聞いていましたし、選手の安全確保という点では明らかにリスクが大きいと感じました。施設面では、トイレですら不足していて、私が観戦した別の試合では、ハーフタイム直後、反対側のスタンドが、観客がトイレから帰って来られないためにガラガラになっているということもありました。
それでも、こうした設計・運営がされているのは、ブラジルでは、サッカーをいかに生で観戦するかという観点が重視されているからでしょう。マラカナンは8万人収容で、改装前は立ち見を含めて17万人が見ていた時代がありました。競技場の一体感を何よりも重視しているのです。
日本と比べて違うのはもちろん、私はロンドン五輪で「聖地」ウェンブリー、女子W杯でフランクフルトにも行きましたが、やはり違います。ブラジル独特の観戦文化なのかもしれません。